1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の核内転写因子の人工制御による脳機構の解明
Project/Area Number |
10878149
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20207533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 宏 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (40079736)
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Keywords | FGF / アンチセンス / 一酸化窒素 / ペプチド核酸 / トランスフェクション / 神経細胞死 |
Research Abstract |
本研究の目的は、FGFのN端に存在する核移行ペプチドを利用して、哺乳動物の細胞核内にペプチドやオリゴヌクレオチドを送り込む方法を開発し、特定の遺伝子の転写因子を人工制御することにより、脳機能を解析することである。初年度は、核移行ペプチド+マーカー役トリペプチド+目的ペプチド、あるいは核移行ペプチド+マーカー役トリペプチド+ペプチド核酸(PNA)を培養細胞に投与することにより、一定の割合で細胞核内に取り込まれることを明らかにした。そこで本年度は、核移行ペプチドとアンチセンスプローブ(PNA)との複合体をラットに投与するIn Vivo実験を行った。Targetとしては、我々が解析方法に熟知しているグルタメートのトランスポーターとiNOS遺伝子を選んだ。核移行ペプチドとアンチセンスプローブ(PNA)との複合体をラットの脳室内に投与した。グルタメートのトランスポーターのアンチセンスプローブを投与した場合は、グルタメートトランスポーター遺伝子の発現抑制、グルタメート濃度の上昇、神経細胞死の誘導が起こることが予想されたが、期待されたような結果を観察することができなかった。投与濃度、投与方法などに問題があると思われるため、現在、培養細胞(CHO細胞株)を用いて諸条件の検索を行っているところである。iNOS遺伝子については、脳梗塞時のiNOS遺伝子の発現抑制と神経細胞死の減少が期待され、現在、ラットの脳梗塞モデルを用いた予備実験を行っているところである。なお、成果の一部を論文発表した。
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[Publications] Kitamura Y,Fufukawa M,et al.: "In vitro and in vivo induction of heme oxygenase-1 in rat glial cells: Possible involvement of nitric oxide production from inducible nitric oxide cynhtase"Glia. 22. 138-148 (1998)
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[Publications] Kitamura Y,Ota T, et al.: "Hydrogen peroxide-induced apoptosis mediated by p53 protein in glial cells"Glia. 25. 154-164 (1999)
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[Publications] Kitano H,Kitanishi T, et al.: "Expression of inducible nitric oxide synthase in human thyroid papillary carcinomas"Thyroid. 9. 113-117 (1999)
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[Publications] Sasaki K,Tooyama I, et al.: "Effects of an acidic fibroblast growth factor fragment analog on learning and memory and on medial septum cholinergic neurons in senescence accelerated mice"Neuroscience. 92. 1287-1294 (1999)