1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10878151
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
遠藤 昌吾 理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 研究員 (60192514)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 宏和 理化学研究所, 記憶学習機構研究チーム, 研究員 (70291086)
|
Keywords | 記憶学習 / プロテアーゼ / カルパイン / プロテアソーム |
Research Abstract |
長期記憶は神経細胞の形態変化などを伴なうと考えられている。生体内での細胞の形態変化には細胞骨格や細胞外マトリックス(ECM.Extracellular matrix)の生成・分解や細胞接着分子が不可欠であり、これらの分子はプロテアーゼ類及びそれらの内在性阻害剤によって3次元的に、また時間的に巧妙に調節されていることが知られている。以上の背景をもとにして、本研究では以下の仮説を検証する:1)神経の可塑性の変化に細胞外マトリックス(ECM)およびECM分解プロテアーゼ(MMP.Matrix metalloprotease)が関与する、2)Ca^<2+>によって活性化される主要細胞内プロテアーゼであるプロテアソームとカルパインがシナプス可塑性に関与する。 初年度はラット小脳の主要細胞内プロテアーゼ、カルパインとプロテアソームを生化学的に解析した。カルパイン及びプロテアームの各々の基質であるカゼインとZ-LLL-MCAを用いて小脳のプロテアーゼ活性を測定した。活性測定はカルパインの特異的な阻害剤ZLLal、プロテアソームの特異的阻害剤ZLLLalタシスチン存在下あるいは非存在下で行った。酵素標品には粗抽出液および細胞質画分を用いた。小脳にはカルパイン、プロテアソームに対して特異的な阻害剤で活性が阻害されるプロテアーゼ活性が高濃度に存在することが明らかとなった。 以上の結果をもとにして、11年度は以下の研究を行いこれらのプロテアーゼの神経可塑性への関与を明らかにしていきたい。:1.小脳のカルパインとプロテアソームのさらなる特徴付けおよびそれらの基質となる細胞内タンパク質の同定。2.ECM分解に関与する細胞外プロテアーゼMMP類の特徴付け。3.カルパイン、プロテアソーム、MMP類の特異的阻害剤による小脳LTDに対する影響の検討。
|
Research Products
(1 results)