1998 Fiscal Year Annual Research Report
震源域物質研究プロジェクトの準備-地質学と地球物理学のカップリングによる地震発生機構の解明-
Project/Area Number |
10894019
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小松 正幸 愛媛大学, 理学部, 教授 (00018665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀実 愛媛大学, 理学部, 助手 (40236625)
塚原 弘昭 信州大学, 理学部, 教授 (20242711)
高木 秀雄 早稲田大学, 教育学部, 教授 (60154754)
榊原 正幸 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80202084)
嶋本 利彦 京都大学, 理学部, 教授 (20112170)
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Keywords | 地震 / 震源域 / 地質学 / 地球物理学 / 断層 / ホームページ |
Research Abstract |
本企画調査では,6月に次のようなアンケート調査を「地質学と地震メーリンググループ」上で行なった(本質部分のみ抜粋).1.地震が科学的な方法で予測できるとお考えですか?2.1の肯定に基づいた地震予測研究に興味がありますか?3.自分のテーマ(仕事)を地震予測に繋げていく考えはありますか?回答下さった多くの方が地震の科学的な予測について希望のある考え方をしていることがわかった.ただし,地震の発生はおそらく決定論的に予測できないであろうこと,そして予測が確率論であるとするなら,確率を上昇させる過程を含む研究が必要となること,などが確認された.続いて,7月には地質調査所において震源域物質プロジェクト予備会議が,そして,9月初旬には長野県松代市において本会議が開催された.これらの会議を通して,震源域物質の研究はどのような方法をたどればよいのかについて9つの提案がなされた.また,震源域物質の研究に興味を持つ方々の自己紹介や,研究紹介を行なうホームページが開設された. 震源域物質プロジェクトの会議を通して,地震の発生機構を明らかにするには,断層内物質の研究だけではなく,それを含めた幅の広い視野からの研究が必要であることが浮かび上がってきた.テーマには断層内物質を含めてそれを取り囲むテクトニックセッティングの研究が含まれている.上記の9つの提案を基本として特集号が作成され,出版された.この編集にあたり総タイトルもより広い視点を表すように「震源域物質研究プロジェクト」から「地震断層解析プロジェクト」とされた.この特集号はそれらをまとめて今後の我々の研究の一里塚にすることを目的としている.本企画調査で提案されたサイエンスプランが近い将来,再び総力を上げて特定領域研究に挑む日が来ることを願っている.
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[Publications] 小松 正幸: "日本列島の上部地殻の発達過程と塑性-脆性断層帯形成の時間的空間的規制" 月刊地球「地震断層解析プロジェクト」. 21・1. 19-22 (1999)
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[Publications] 板谷徹丸 ほか: "地震の時代決定学" 月刊地球「地震断層解析プロジェクト」. 21・1. 13-18 (1999)
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[Publications] 藤本 光一郎: "断層岩における水/岩石相互作用と物質移動" 月刊地球「地震断層解析プロジェクト」. 21・1. 7-12 (1999)
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[Publications] 竹下徹・安藤淳一: "物質科学的に見た地震(高速変形)の準備過程の研究" 月刊地球「地震断層解析プロジェクト」. 21・1. 45-49 (1999)
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[Publications] 高木 秀雄: "断層活動年代の精密測定と活動の歴史の解明" 月刊地球「地震断層解析プロジェクト」. 21・1. 50-54 (1999)
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[Publications] 田中秀実: "地震断層解析プロジェクトの経緯" 月刊地球「地震断層解析プロジェクト」. 21・1. 3-6 (1999)