1998 Fiscal Year Annual Research Report
自航型・ハイブリッド構造による海洋浮体の基本計画に関する企画調査
Project/Area Number |
10895027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 茂弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60263216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90183433)
村川 英一 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (60166270)
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60106804)
橘 英三郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029165)
上田 茂 鳥取大学, 工学部, 教授 (40261234)
渡邊 英一 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30026174)
船木 俊彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029174)
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Keywords | 自航型海洋浮体 / ハイブリッド構造 / 繁留 / 免震構造 / 災害救助 / 渡橋装置 / 自航専用ユニット / 軟着底 |
Research Abstract |
本研究で対象とする「自航型・ハイブリッド構造による海洋浮体」は、従来の浮体式構造物よりもはるかに大型であること、複数のユニットからなる連結体であること、自航型であること等の特徴を有している.この海洋浮体を設計する際に重要となるであろう項目を洗い出し、それらについて検討した結果を以下に要約する. 1) 推定外力については、風、浪、地震によるものがある.風浪に対しては観測データを元に、ある程度の予測は可能であるから、開発初期には観測データの豊富な海域に設置すべきである.2)繋留は風浪に対する剛体運動を抑制するが、地震に対しては伝播経路ともなるので注意が必要である.連結浮体を繋留するためにはドルフィンダンパ方式が最有力であるが、地震に対する免震構造を採用する必要がある.3)連結浮体の構造安全性や居住性に関する過去の研究はほとんどなく、本海洋浮体については特に、複数浮体による相互影響、さらには設置海域境界条件を考慮した動揺性能推定法を開発する必要がある.また、繋留免震構造による影響も評価せねばならない.4)飛沫帯保護及び経済性の観点からは浮体の静的挙動に対してハイブリッド型構造は有力な候補であるが、疲労強度の観点からは現状では必ずしも自航型に適しているとは言い難い.よって、主機搭載浮体だけは鋼構造とするか、もしくはずれ止めに一層の工夫を加える必要がある.5)しかし、軟着底による浮体の繋留も可能なハイブリッド型構造も捨てがたい.その際には、底の状態(例えば岩盤なのかヘドロなのか)と地震との関係も調査する必要がある.6)浮体ユニット洋上接合方式での建造では工期短縮が可能であるが、経済性の観点からはドックの制約からユニットサイズをうまく選ぶ必要がある.7)陸上とのアクセスでは、母港的設置海域には浮体式橋梁、それ以外では渡船によるのが適当と考えられる.また、災害救助をも目的とするためには、破壊された岸壁への渡橋装置を格納しておくべきである.なお、潮の干満に対応するべく、渡橋装置にもこれに追随できる機能をもたせておく必要がある。8)平常時繋留にてその機能を発揮するような大型海洋浮体では、航海能力を保持するための設備が割高となり、開発初期から狭水路での自航性能を保証するには限界がある.また、浅海域ではプロペラによって海底をかき回すことにもなる.よって、狭水路ではタグボート使用あるいは、自航専用ユニットを開発するのが望ましい.従って自航性能保持については外洋での航行に注力すべきである.
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