2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00042
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
阿部 正彦 東京理科大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHRESTHA Rekha Goswami 東京理科大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 非イオン性界面活性剤 / 粘弾性 / ひも状ミセル / 相状態 / 小角X線散乱法 |
Research Abstract |
低分子量の界面活性剤が形成する「ひも状」ミセルは、一つ一つの構成分子が離合集散を繰り返す動的な分子集合体である。そのため、通常の高分子溶液とはストレスに対する応答特性を異にしており、新しいソフトマテリアルとしての利用が期待されている。本研究では、天然由来の非イオン性界面活性剤に、界面活性剤助剤と呼ばれるもう一種類の天然界面活性剤あるいは油やアルコールを共存させることで、水をベースとした粘弾性流体の調製をめざしている。 今年度は界面活性剤としてポリオキシエチレンコレステリルエーテル(ChEO20)を利用し、その水溶液に界面活性剤助剤としてラウロイルジエタノールアミド(L-02)あるいはポリオキシエチレンドデシルエーテル(C12EOm、m=3ないし4)を添加することでひも状ミセル溶液を得てきた。L-02とC12EOmはいずれも親油的な非イオン性界面活性剤であり、ChEO20の球状ミセルを一次元的に成長させ、極めて長いひも状ミセルに構造変化させる。その結果、長く成長したひも状ミセルは互いに絡み合い、高い粘弾性を発現した。また、小角X線散乱測定と低温透過型電子顕微鏡観察により、粘弾性挙動とひも状ミセル構造との間には強い相関性があることを明らかとした。ここで得られた知見は理学的に興味深いばかりでなく、高い生分解性や生体適合性、さらにはイオン強度の変化に対する鈍感性などが要求される香粧品やパーソナルケア製品分野での基盤技術として有用である。
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Research Products
(6 results)