2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00060
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
西村 克彦 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Lingwei 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 外国人特別研究員
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Keywords | 磁気熱量効果 / 蓄冷材 / 希土類化合物 |
Research Abstract |
希土類金属間化合物DyCo3B2は、Dy-Dy副格子の磁気転移温度が22Kの強磁性体であり、磁気エントロピー変化ΔSが磁場変化2Tで、7.4J/kgK、断熱温度変化ΔTmax=6.4K(ΔH=2T)でありことを見いだした。温度20K付近の磁気熱量材料として非常に有望な材料でである。超伝導化合物RNi2B2C(R=Dy,Ho,Er)の磁気エントロピー変化ΔSと断熱温度変化ΔTmax調査では、HoNi2B2Cの値が一番大きく、磁場変化5Tで、-ΔS=17.7J/kgK、ΔTmax=11Kこれまでの研究成果からGdCo2B2の磁気熱量料効果(MCE)は、ΔTmax=6.7K(ΔH=2T)であであることがわかった。同様にRCo2B2(R=Tb,Dy,Ho)の調査では、HoCo2B2の磁気エントロピー変化ΔSが一番大きく、12.2J/kgK (ΔH=5T)であることがわかった。 ErMn2Si2とErCr2Si2の研究成果から特許出願を行った。両物質ともに1~2Tの小さな磁場で大きな磁気熱量効果を持つことを見いだした。有効温度領域は、約1~15Kと非常に広い。ErMn2Si2がErCr2Si2より少し温度領域がたかい。この2種の物質と市販のクライオポンプと組み合わせることによって、液体ヘリウムを使わずに2K以下の極低温を生成できる可能性がある。ヘリウムガスは戦略物資であり、年々価格が高騰している。そのため、液体ヘリウムを使わずに、永久磁石だけで、2K以下の低温を生成する技術は貴重である。現在、これらの複合材料の基礎データの収集と装置のデザインを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究対象とする化合物が発展的に広がっており、更にその成果から特許出願を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
特許出願したErMn2Si2とErCr2Si2の研究成果を利用して、液体ヘリウムを使わずに、永久磁石だけで、2K以下の低温を生成する技術の確立と装置のデザインを検討し、必要予算を獲得して、装置の試作を行う計画である。
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Research Products
(6 results)