2010 Fiscal Year Annual Research Report
量子情報応用にむけた半導体結合量子ドット・量子リングの研究
Project/Area Number |
10F00065
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
末宗 幾夫 北海道大学, 電子科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CLAUS Hermannstaedter 北海道大学, 電子科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子ドット / 量子情報通信 / 単一光子 / 微細構造分裂 / 半導体ナノ構造 / 光ファイバー通信 |
Research Abstract |
近年の情報通信の広がりにつれて、通信の信頼性が以前にも増して重要になってきている。そのためにこれまでよりも絶対的に安心な通信が可能である量子情報通信が注目されている。その量子情報を伝送するのが単一光子であり、最小単位の光子はそれ以上には分割できないことが,通信の信頼性に重要な役割を果たしている。単一光子を発生する光源として半導体ナノ構造が注目され、活発に研究が進められている。本研究ではこのような半導体ナノ構造の量子情報応用に向けた基礎ではあるが、重要な研究を進めている。具体的には、半導体量子ドット,ならびに半導体量子リングにおける励起子微細構造分裂を評価する走査型干渉分光計を準備し,その検討を進めた。サンプルに関しては,波長750nm帯のInAlAs量子ドット,950nmのInAs量子ドットに加え、光ファイバー通信で重要な1550nm波長帯で発光するInAs量子ドットにも検討の枠を広げて研究を進めている。この長波長帯でも微細加工によって単一の量子ドットを切り出すことに成功し,単一量子ドットのシャープな発光線が観測されつつある。現在作製したナノ構造を我々が提案している金属埋め込み構造として発生した光子の外部への取り出し効率を向上し,量子情報処理応用に重要なパルス励起ごとに単一の光子を発生するための確認実験を行う準備を進めている。来年度は励起子微細構造分裂の評価も進めて,量子情報処理応用への研究を進める。
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Research Products
(2 results)