2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00080
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀田 善治 九州大学, 工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EDALATI Kaveh 九州大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 高圧ねじり変形加工 / 巨大ひずみ加工 / 原子結合エネルギー / マグネシウム / 微細結晶粒 / 水素貯蔵 / 金属間化合物 / FeTi |
Research Abstract |
本研究では、加工しても形状が変わらない巨大ひずみ加工法を利用して水素貯蔵特性の向上を目指すことを目的とした。巨大ひずみ加工法として超高圧ねじり変形(High-Pressure Tbrsion: HPT)法と呼ばれる加工技術を利用した。この加工法は延性が低く強度の高い材料にも適用でき、格子欠陥が導入できることが特徴である。水素貯蔵合金には高強度で低延性の金属間化合物(たとえば、FeTiなど)が適することが知られている。本研究では、前年度のMg結果をもとに結晶粒界が水素貯蔵に効果的であることが分かったので、水素貯蔵特性を上げるべく、FeTiを含めた金属間化合物でナノ結晶粒の創製を試みた。 1. 金属間化合物FeTiのバルク試料を溶解鋳造法で作製し、6GPaのもと室温にてHPT加工した。 回転数は0~10回転とし、硬度測定、X線回折(XRD)、透過電子顕微鏡(TEM)観察を行った。硬度は、HPT加工前の340HVから加工後には1000HVを超えた。加工前に存在した水素化物は高圧付与で消失した。TEM観察によれば、10nm程度のナノ結晶粒領域、1μm以下の超微細粒領域およびアモルファス領域が試料中に混在することが確認された。 2. 純Alと純Niの粉末からなる混合粉末を6GPaのもと100回転のHPT加工を573Kで施した。 xRD解析、TEM観察からAl_3Ni_2の金属間化合物と純Niのナノ結晶の生成が確認された。673Kで焼鈍することにより試料全体でAINi金属間化合物に変態することが知られた。HPT加工によりナノ結晶粒(20nm)の金属間化合物が生成し硬度は920HVに達した。この後673Kで焼鈍することで結晶粒径は大きく成長するものの、50nm程度に成長することが分かった。 HPT加工によりナノ結晶粒の生成が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初水素貯蔵特性について調べる予定であったが、装置の使用に制限があり関連のデータが得られていない。2012年3月に高速で水素貯蔵特性が測定できる装置が関連機関に導入されたので、特性評価の迅速化が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
触媒添加による反応速度の向上を図るととともに、Mg系、FeTi系の水素貯蔵材料にHPT加工を適用して水素貯蔵特性の向上を図る。
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