2010 Fiscal Year Annual Research Report
ランチビオティックnukacin ISK-1のペプチド工学と膜結合モチーフの解析
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10F00099
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園元 謙二 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISLAM M.R. 九州大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | ランチビオティック / nukacin ISK-1 / 異常アミノ酸 / 翻訳後修飾 / ランダム変異導入法 / MALDI-TOF/MS / ペプチドデザイン / ランチビオティックの分子設計 |
Research Abstract |
Staphylococcus warneri ISK-1が生産するランチビオティックnukacin ISK-1は、リボソーム上で合成されたプレペプチドが種々の翻訳後修飾酵素反応を受け、ランチオニン等の異常アミノ酸が導入された抗菌性ペプチドである。これまでにランダム変異導入法(NNK scanning;各アミノ酸残基(計27残基)にランダムに変異を導入する方法)によりnukacin ISK-1変異体ライブラリーを構築し、その中で抗菌活性が2倍上昇したnukacin ISK-1変異体(D13E,V22I)の取得に成功している(Islam et al., Mol.Microbiol., 72 : 1438, 2009)。これまでは、1つのアミノ酸残基の変異による改変であったので、本年度はnukacin ISK-1変異体ライブラリーとその知見を基に、改変する候補アミノ酸2残基を特定し、2重変異を導入することで、抗菌活性が上昇したnukacin ISK-1変異体の合理的設計、および変異体の生産性の増大を目的とした。 部位特異的変異導入法によりnukacin ISK-1構造遺伝子に変異を導入することで、数種類のnukacin ISK-1変異体(D13E/H15S,D13E/H15F,H15S/V22I,D13E/V22I)発現株を構築した。しかしながら、得られた発現株の変異体ペプチドの生産をMALDI-TOF/MSによって解析したが、検出することができなかった。それぞれの株から抽出したDNAのシーケンス解析結果から、nukacin ISK-1構造遺伝子には予測アミノ酸をコードするそれぞれ2箇所の変異が確認されたことより、今回の2重変異は種々の翻訳後修飾酵素反応、特に、異常アミノ酸の導入反応や修飾されたペプチドの輸送プロセスに何らかの障害を与えていることが考えられた。
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Research Products
(6 results)