2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト腫瘍免疫レパトアのプロテオミクスプロフィーリング
Project/Area Number |
10F00121
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VITALY Kochin 札幌医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | MHCクラスI / 抗原提示 / ERAAP |
Research Abstract |
CD8+T細胞は細胞表面に提示されるペプチドとMHCクラスIの複合体(pMHCI)を認識し、これを傷害する。標的となるpMHCIは最終的に小胞体内で完成するが、このプロセスに必要な分子がアミノペプチダーゼであるERAAPやMHCクラスIシャペロンであるtapasinである。いずれかの分子が欠損した場合も細胞表面提示されるpMHCIレパートリーが質的に大きく変化し、結果的にCD8+T細胞を介する免疫応答に変化をもたらす。腫瘍細胞ではこれら分子の発現が低下することも報告されている。一方で、リン酸化ペプチドがMHCクラスI上に提示される例は知られているものの、この生物学的意義および提示の細胞内メカニズムはわかっていない。本研究ではリン酸化ペプチドを含めたpMHCIレパートリーの網羅的解析を行い、抗原提示機構の解明を目指す。 平成22年度は、ヒトERAAPに対するモノクローナル抗体を作成し、免疫沈降を用いて細胞内に発現するERAAP蛋白の抽出を確認までを行った。リン酸化チロシン/スレオニン/セリン抗体を利用した解析ではERAAP自体のリン酸化は確認されなかった。 現在、pMHCIレパートリー解析に向けて、LC-MS/MSを用いたラージスケールペプチドシークエンスの手法を開発中である。
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