2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00131
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高柳 広 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUERRINI MM 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | RANKL / T細胞 / 髄外造血 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
RANK/RANKLシグナルは、骨代謝のみならず免疫応答にも重要な役割を果たしている。本研究は、RANK(遺伝子に変異を持つ患者がB細胞やT細胞の機能に異常があることを発見した知見を基に、RANK/RANKLシグナルのリンパ球における新たな機能を、組織特異的な遺伝子改変マウスを用いて、明らかにすることを目的とする。 本年度は、以下のような成果が得られた。 1.RANKL欠損T細胞は正常に分化し、胸腺の形成も正常であった。このことからT細胞由来のRANKLはT細胞の分化には必須ではないことが示唆された。また、いくつかの自己免疫疾患モデルを用いて、エフェクター機能を解析したところ、RANKL欠損マウスで異常が認められる場合があった。したがって、RANKLはT細胞のエフェクター機能に重要である可能性が示唆され、そのメカニズムの解明が重要であると考えられた。 2.RANK欠損やRANKL欠損マウス等のように大理石病を発症し、髄外造血が認められる様々なマウス由来の造血幹細胞を解析した結果、コロニーアッセイやFACS解析の結果から、B細胞の分化に異常があるマウスが存在した。これらのB細胞は発生の早期に異常があるのではなく、自己反応性B細胞を選択するステージに異常が認められた。したがって、B細胞そのもの、あるいは髄外という異なる環境がB細胞の選択に影響を与えるかどうかを明らかにする必要があると考えられる。
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