2010 Fiscal Year Annual Research Report
全身投与型siRNA送達システム実現のための新規ポリカチオン開発
Project/Area Number |
10F00337
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GE Zhishen 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 生体材料 / ナノバイオ / 核酸医薬 / ドラッグデリバリー |
Research Abstract |
現在、申請者は、ブロック共重合体を基盤とするナノスケールの分子集合体をDDSヘ展開する研究を中心に行っており、いくかの制がん剤ナノミセルは臨床治験まで進み、世界をリードするレベルに到達している。しかしながら、遺伝子、核酸、タンパク質や水溶性の薬剤についての送達法に関しては、まだまだ技術的に未成熟であり、多分に開発の余地が残されている。そこで本研究では、幅広く、かつレベルの高いブロック共重合成技術・ナノ構造製造技術を有するGe氏を中心として、これまで浮き彫りにされてきた高分子ミセル型ナノキャリアの弱点を克服する新規ドラッグキャリア開発に取組む。具体的には生体適合性と生分解性を持ち、遺伝子ならびに核酸医薬を安定に内包、送達し、治療するナノキャリアの開発を行う。 本年度は申請者が既に報告をしているポリアミノ酸をベースとする自分分解性のポリカチオンを基に、生理的条件で分解で分解しうる機能性ポリカチオンと生体適合性中性高分子であるポリエチレングリコール(PEG)からなるブロックカチオマーの合成を行った。特に、キャリアの会合力を高めるべくブロックカチオマー末端に疎水基を導入する手法の検討を行った。平行して生体内におけるキャリアのステルス性を向上するためPEG鎖長の異なるブロックカチオマーを合成に取り組んだ。次年度は上記検討をさらに押し進めるとともに、リガンド導入法についても検討し、全身投与に対応可能なナノキャリア創製の基盤作りを行う。
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