2011 Fiscal Year Annual Research Report
雑音分析に基づく超高分解能室温動作フラックスゲート磁界センサの実現
Project/Area Number |
10F00376
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹田 一郎 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUTTA Mattia 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | magnetic sensors / orthogonal fluxgate / fundamental mode / noise / offset |
Research Abstract |
研究のゴールは基本波型直交フラックスゲートセンサのノイズを1Hzで1pT/√Hzに低減することである.この課題に対して1~5の検討を行った. 1.励磁電流の最適化.励磁電流は直流電流Idcと交流電流Iacの和からなるが,十分な大きさのldcで雑音は減らせること,しかし,わずかでもIac>Idcとなると雑音が急激に増加することを示した.これによってまず7pT/√Hzまで低減できた. 2.フラックスゲート雑音のモデル化1/f雑音と白色性雑音のノイズフロアと励磁周波数,振幅,検出コイルターン数,Idc,Iacおよびセンサベッドの辞せ岩谷の本数との関係を記述するモデルを構築した. 3.磁性ワイヤ内雑音の性質フラックスゲートセンサヘッドに用いる磁性ワイヤからの雑音を2つの短軸検出コイルによって計測し,2つのコイル間距離と相関を調べ,距離が小さいと相関が強いことを見出した.一方,1つのコイルをワイヤの各点にずらしても雑音強度はあまり変化が無い.これらのことから磁性ワイヤ内には一様に分布した互いに相関性の低いノイズ原画あることを指摘した. 4.形状パラメータヘッドのコアの長さは計測すべき磁界を濃縮する効果を持つが,短いと反磁界効果のために濃縮率は小さくなり,長いと,大きくなる.ワイヤ内雑音の大きさはワイヤの長短で変わらない(変わりにくい)ので長くすることで雑音を低下できる.60mm長さとすることで2.5pT/√Hzを得た. 5.アモルファス磁性ワイヤの熱処理赤外炉内でワイヤに通電しながら熱処理することでワイヤ円周方向に磁気異方性を導入した.この過程で,通電直流電流値,処理時間,炉内温度と磁気異方性の大きさとの関係を調べた.適度の処理をすることで1.8pT/√Hz@1Hzの雑音レベルまで到達した. 当初の計画には無かったが,-90℃~100QCオフセットの温度変化とその安定化法について検討を加えた. Co基アモルファスワイヤの半田付けは簡単ではないが,先端を簡易に銅メッキする手順を開発した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
pT/√Hzであった雑音を1pT/√Hzまで低減するのが最終ゴールであるが,これまでに1.8pT/√Hzまでに達しているので,また後6ヶ月残存期間があるので91%達成したと考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
アモルファスワイヤの熱処理方法の最適化について特に注力したい.そしてオフセットを低減し最終的に1pT/√Hzの分解能に到達したい.
|