2011 Fiscal Year Annual Research Report
バベシア原虫のヘモグロビン分解経路の解明と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
10F00419
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 宏志 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABOGE G.O. 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
|
Keywords | Babesia bovis / ヘモグロビン / BbLAP / Bestatin |
Research Abstract |
本研究は、バベシア原虫の赤血球内寄生機構の一環としてヘモグロビン分解経路の解明に焦点を当て、それに基づいた新規治療法の開発を目指して企画した。本年度に実施した研究内容と得られた研究成果は以下の通りである。 ウシバベシアゲノムデータベースよりヘモグロビン分解に関わると推定されるロイシンアミノペプチダーゼ(BbLAP)遺伝子を同定した後、cDNAライブラリーから完全長遺伝子をクローニングした。BbLAP遺伝子を大腸菌発現系にて発現したところ、機能解析に適した可溶性組換えタンパク質として発現できた。得られた組換えBbLAPをマウスに免疫し、抗BbLAP特異抗体を作製した。得られた特異抗体を用いてイムノブロットを行ったところ予想通りの分子量をもつ57kDaのB.bovis虫体由来の天然BbLAPが同定できた。また、抗BbLAP特異抗体を用いて蛍光抗体法を行ったところ、BbLAPはB.bovisの赤血球寄生の全ステージにその発現が認められた。次に、精製した組換えBbLAPの酵素活性を調べたところ、典型的なロイシンアミノペプチダーゼ活性が認められた。この酵素活性はロイシンアミノペプチダーゼのインヒビターであるBestatinにより特異的に抑制された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初掲げた研究目標をおおむね達成したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、ロイシンアミノペプチダーゼのインヒビターであるBestatinの原虫増殖抑制活性をin vitroおよびin vivoにて調べ、バベシア原虫感染症に対する治療薬としての可能性を検討する。
|