2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00429
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
南沢 享 早稲田大学, 理工学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIAO Qinbin 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | 心筋筋小胞体 / カルシウム調節 / 心機能低下 / 生理的ストレス / 加齢 |
Research Abstract |
小胞体ストレスが心筋筋小胞体機能に及ぼす影響 近年、小胞体ストレスが正常な心機能の維持に重要であることが判明してきている。ところが心筋において筋小胞体機能と小胞体ストレスの関係については、必ずしも明らかにされていない。サルカルメニンは心筋および骨格筋筋小胞体に発現するカルシウム結合蛋白であり、SERCA活性を維持し、筋小胞体内カルシウム調節に関与する。先行研究において、サルカルメニン欠損マウスでは、心臓への圧負荷によって、より強く心機能低下やSERCA活性低下を引き起こすことが示されている。圧負荷のような病的ストレスと生理的ストレスとでは生体の応答はしばしば異なるため、平成22年度においては、サルカルメニンの有無によって、加齢による生理的ストレスに対する心機能の変化が異なるか否かを調べた。野生型(WT)高齢マウス(n=12)や若齢サルカルメニン欠損マウス(SARKO)(n=12)と比べて、高齢SARKO(n=13)では心機能やSERACAの発見量の低下が著しかった。LV dp/dt max (mmHg/s)は高齢SARKOが3897±134、高齢WTが7091±657,若齢SARKOが6836±29であった。若齢WTマウスのSERACA蛋白量と比べて、高齢SARKO,高齢WT,若齢SARKOのSERACA蛋白量はそれぞれ16±17%, 72±8%, 56±17%と低下していた。以上の結果は、サルカルメニンが加齢負荷のような生理的ストレス時に心機能を保つために重要な役割を果たしていることを示している。本研究の成果は、筋小胞体のカルシウム調節メカニズム解明において重要な足がかりになり、将来的には新たな心機能調節因子として、心機能異常患者への応用への繋がるものと思われる。
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Research Products
(2 results)