2012 Fiscal Year Annual Research Report
多糖体ナノゲルを用いたTNF-α拮抗薬輸送による骨形成促進作用の検討
Project/Area Number |
10F00432
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大谷 啓一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALLES C.R. 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | TNF / 骨形成 / 石灰化 / BMP |
Research Abstract |
本年度はマウス切歯抜歯窩再生モデルにおいてナノゲルとW9ペプチドの効果を検討する予定であったが、実験系の構築に手間取り行うことができなかった。そこでBMP投与モデルに関して異所性石灰化モデル、頭蓋骨欠損モデルによる詳細な検討を行った。今年度は新たな新規薬物候補として新規のTNF-αアンタゴニストOP3-4ペプチドを加えて実験を行い従来のW9ペプチドとの比較を行った。 1.BMP投与による異所石灰化モデル マウス背部皮下にBMPを埋め込み1週,2週,3週,4週における経時的な骨形成実験モデルを用いた。リコンビナントBMP2はコラーゲンを担体としてゲル状とした物と、コラーゲンゲル+W9複合体、コラーゲンゲル+OP3-4複合体を背部皮下に填入した。埋め込み填入部における骨形成過程をμCT装置を用いて計測、BMDをpQCTにより定量して、骨再生のプロセスを把握した。その結果、同じ投与量のペプチドの比較でOP3-4はW9ペプチドより高い骨形成能力を有することが認められた。 2.頭蓋骨欠損モデル C57BL/6Jマウスの頭蓋骨に左側に3.5mmの穴をバイオプシーパンチを用いて開けた。ゼラチンディスクにBMP、2用量のOP3-4ペプチド(0.28mg or O.56mg)あるいはW9ペプチド(0.56mg)をしみ込ませたものを埋入した。4週間後にマウスを麻酔下屠殺してコラーゲンディスクの石灰化をDXA法にて測定した。さらに石灰化組織の3次元的構造をμ-CTにより観察した。その結果、OP3-4ペプチドは用量依存的に骨形成を促進した。その効果はBMPと同程度であった。またW9ペプチドとの比較ではOP3-4はより多く骨形成を促進した。 以上の研究成果よりRANKL拮抗作用を持つW9ペプチド、OP3-4ペプチドが骨形成促進作用を有することが明らかとなった。両ペプチドの骨形成機序における作用の詳細は不明であるが、これらペプチドの有するRANK-RANKL相互作用への抑制効果が何らかの機序で骨形成に促進的に働くこと思われる。
|
Research Products
(4 results)