2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00515
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
長谷川 秀樹 国立感染症研究所, インフルエンザウィルス研究センター, 室長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VAN RIET Petronella Helena 国立感染症研究所, インフルエンザウイルス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | インフルエンザ / 経鼻ワクチン / 感染防御 / アジュバント |
Research Abstract |
インフルエンザワクチンは毎年流行株の予測に基づき作成されるが、ワクチン株と流行株が異なると効果が著しく低下する。本研究ではワクチンの経鼻接種により交叉防御能の高い免疫を誘導するワクチンの開発と機序の解明を目的とした基盤的研究を目的とする本年度は2009年パンデミックウイルスであるA/Narita (H1N1pdm)株を用いる事が可能であったため、2009年パンデミック以前の株であるAPR8(H1N1)株とパンデミックウイルスA/Narita (H1N1)株を用い経鼻ワクチンのブースター効果と交叉防御効果について調べた。ワクチンとして全粒子不活化ワクチンを使用しA/PR8(H1N1)ワクチン接種後同株又はパンデミックウイルス株であるA/Narita(H1N1pdm)株のワクチンで追加免疫しその後にA/Narita株で攻撃感染を行った。全粒子不活化ワクチンは内部のゲノムRNAによりTLR7を刺激する事が知られており、内在性のアジュバントとなる事が期待されている。 結果は、A/PR8株全粒子不活化ワクチンの初回接種後、A/Narita全粒子ワクチン追加接種により、A/Narita HAに対する血清中のIgG抗体応答が見られた。経鼻ワクチンにおいては抗原性の異なる不活化全粒子ワクチン接種による免疫履歴がある場合には、新規ウイルスの全粒子ワクチンの一回経鼻接種で、新規ウイルスの感染を防御する可能性が示唆された。
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