2010 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮症側索硬化症におけるNeuregulinの役割の解明
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10F00518
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山中 宏二 独立行政法人理化学研究所, 運動ニューロン変性研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ラシエネ ユラテ 独立行政法人理化学研究所, 運動ニューロン変性研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 運動ニューロン / SOD1 |
Research Abstract |
本研究課題では,これまで末梢神経の髄鞘形成においてその関与が知られているニューレグリンについて,神経変性疾患における役割を解明することを目標とする.本年度は,以下の項目について検討を行った.ヒトNRG1には、非常に多くのアイソフォームの存在が報告されているが,マウスにおいてその詳細は不明であるため,マウス脊髄においてどのようなアイソフォームが存在するのかをRT-PCRを用いて検討したところ,少なくともヒトNRG1-typel,typeIIIに相当する2種類のNRG1アイソフォームの発現を確認した.次に,筋萎縮性側索硬化症モデルマウスとして知られる変異SOD1マウス,SOD1G85RとSOD1G93Aを用いて,脊髄におけるNRG-1mRNAの経時変化を検討したところ,疾患進行期において,NRG-1 type-1およびType-IIIの発現が低下していることが明らかになった.さらに,共焦点顕微鏡を用いて,運動神経周囲の神経終末におけるNRG-1のタンパク発現の形状や発現量の変化を免疫組織学的に検討した.NRG-1タンパク質は,運動ニューロンに入力するコリン作動性介在ニューロン由来のシナプス終末に一致して発現していることを明らかにした.3次元的に画像を取得してNRG-1発現量の定量的解析を行うことにより,変異SOD1の疾患進行期において,シナプスの消失に先立ってNRG1の発現低下を認め,本分子の神経変性への関与を示唆する知見を得た.
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Research Products
(3 results)