2010 Fiscal Year Annual Research Report
物理法則を考慮した仮想生態系に基づく進化プロセスの研究
Project/Area Number |
10F00763
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
有田 隆也 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PILAT Marcin L. 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 仮想生態系 / 人工生命 / ニッチ構築 / マルチレベル選択 |
Research Abstract |
研究分担者が2010年9月に来日した後,本格的に研究を開始した.その実績を以下の4つの面から記述する. 第一に,本研究のプロジェクトを実行するのに必要なハードウェア環境を整備した.具体的には,物理法則を考慮した仮想環境であるMorphid Academyについて.GPU計算の可能性を検討した.そして,その結果に基づいて,ハイエンドマルチCPUを装備した実験用ワークステーションシステムを導入した.第二に,物理法則を考慮した仮想生態系に基づく進化プロセスを研究するためのソフトウェア環境の構築と改良を行った.具体的には,まず,GPU計算の効率性の検討と物理シミュレーションの安定性の改良のために,物理エンジンNVIDIA PhysXのためのソフトウェアの拡張を行った.そして,使いやすさやモジュラリティの向上のためにコードのリファクタリングを行い,非明示的な適応度評価や共進化シナリオを実現し改良するための様々な新しい機能を追加した.また,ニューラルネットワークの性能向上のためにアルゴリズムの改良を行った.さらに,物理シミュレーションにおける流体環境の可能性の検討した.第三に,仮想生物の形態とコントローラの共進化実験を行った.この実験の目的は,物理エンジンODEを用いた場合と比較し,Morphid Academyを用いて行った結果において,進化システムに期待しない影響が生じないことを確認することであり,その目的は達成された.第四に,本研究において今後遂行するプロジェクトの具体的方向性(進化と学習の相互作用,ニッチ構築,マルチレベル選択)に関して理論的な検討を開始した.また,大分で開催された国際会議AROBに参加し,さまざまな議論を行った.
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Research Products
(2 results)