2010 Fiscal Year Annual Research Report
T2K実験の前置ニュートリノ測定器を活用したニュートリノ振動の研究
Project/Area Number |
10F00774
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中家 剛 京都大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LITCHFIELD P.R 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 加速器 / 素粒子実験 / 前置検出器 |
Research Abstract |
本研究は、大強度陽子加速器J-PARCでニュートリノビームを生成し、ニュートリノ生成標的から280m離れた前置ニュートリノ測定器と295km離れたスーパーカミオカンデでそれぞれニュートリノを検出し、ニュートリノ振動の詳細な研究を行う。本研究の目的は、終了時までに貯めた~1×10^<21>陽子/標的のビーム量のデータを基に、現在他の実験によって制限されている値よりも10倍近く感度を向上させ、sin^22θ_<13><0.02 (90% C.L.)までミューオンニュートリノから電子ニュートリノへの振動を探索することである。そして、第3の混合角θ_<13>を発見し、ニュートリノ混合行列要素の決定を目指す。前置ニュートリノ測定器は、ビーム軸上に設置されたニュートリノビームモニター(INGRID)とビーム軸からずらしてスーパーカミオカンデと同じ方向に設置されたオフアクシス検出器からなる。本年度は、研究分担者のLitchfield氏が、2010年秋から前置ニュートリノ測定器の運転責任者としてJ-PARC(茨城県東海村)に常駐し、「全測定器の状態の把握」、「運転スケジュールの決定」、「問題への対処」、「データ品質の確認」などを行い、安定かつ高い品質での物理データ収集を実現させた。同時に「前置ニュートリノ測定器の光検出器とそのエレクトロニクスの較正」と「それに必要なソフトウェアーおよびデータベースの整備」を中心となり進めてきた。
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