2011 Fiscal Year Annual Research Report
T2Kニュートリノ振動実験における電子ニュートリノ出現の探索
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10F00774
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中家 剛 京都大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PHILLIP Litchfield 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 加速器 |
Research Abstract |
Litchfield氏は、T2K実験の前置検出器の運転責任者としてJ-PARC(茨城県東海村)に常駐し、東日本大震災から実験を再開し、100%近い効率でのデータ収集を実現した。「全測定器の状態の把握」、「運転スケジュールの決定」、「運転時のあらゆる問題への対処」、「データ品質の確認」、「シフトマニュアルの整備」などを行い、T2K実験が安定かつ高い品質で物理データを収集できるように尽力した。 Litchfield氏は、前置検出器の光検出器とそのエレクトロニクスの較正作業とそれに必要なソフトウェアーの整備を中心となって行った。前置検出器は複数の検出器から構成されており、そのデータ解析に用いるソフトウェアーは非常に大規模なものである。Litchfield氏は、このソフトウェアーの開発および管理の責任者としてグループをまとめ、前置検出器のデータ解析に大きく貢献した。この前置検出器の解析結果は、ニュートリノ振動解析の最も重要なインプットである。Litchfield氏は、この結果をもとにニュートリノ振動解析を進めている。 Litchfield氏は、前置検出器の光検出器とその読み出しエレクトロニクスの較正を中心となって行った。その結果、検出器の性能が大きく向上し、前置検出器の測定に対する系統誤差を大きく減らすことに成功した。この成果、Litchfiled氏は、現在進めているニュートリノ振動解析において、測定感度の向上に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した研究計画をほぼ達成しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Litchfield氏は、ニュートリノ振動解析を引き続き行い、2012年夏までの測定データを用いた結果をまとめ、学術論文としてまとめる。 Litchfield氏は、前置検出器の運転責任者として引き続きJ-PARC(茨城県東海村)に常駐し、T2K実験が安定かつ高い品質でデータ収集を続けることに尽力する。
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