2010 Fiscal Year Annual Research Report
病原体が持つ抗原変異多コピー遺伝子ファミリーのメタゲノム解析
Project/Area Number |
10F00786
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五斗 進 京都大学, 化学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JOANNIN N.K 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 抗原変異 / 多コピー遺伝子ファミリー / 配列解析 / データベース / マラリア原虫 / メタゲノム / 病原微生物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、病原微生物が抗原変異性を獲得してきたメカニズムを遺伝子配列の計算機解析によって解明することである。抗原変異は多くの病原微生物がホストの免疫系を逃れるために獲得してきた機構であり、ある種の病原微生物に対するワクチン開発が困難な理由の一つとなっている。そこで本研究では抗原変異に関わる遺伝子ファミリーを収集し、その配列を比較することにより抗原性獲得、特に配列多様性の獲得メカニズムについて明らかにする。このような解析は個々の遺伝子ファミリーではこれまでも進められてきたが、複数の遺伝子ファミリー、複数の生物種で解析するためのリソースはなかった。そのため、本研究ではデータベースをはじめとする計算機リソースを開発し、他の研究者がワクチン開発などに応用できるような解析環境も整備する。 本年度は当初、米国ブロード研究所が進めている75個体のマラリア原虫Piasmodium falciparumから得られるrifin遺伝子ファミリーの系統解析をする予定だったが、解析に使えるだけのデータが公開されなかったため、データベースの開発に重点を置いて研究を進めた。まず、我々が既に公開している抗原変異遺伝子ファミリーのデータベースvarDBを改良するために、新規に導入する遺伝子ファミリーの検討を行い、ライム病の病原バクテリアBorreliaの遺伝子ファミリーを2種類追加した。また、既存の遺伝子ファミリーについても新たに配列検索をすることによって、約6,000の配列を追加した。varDBのインタフェースや配列更新の方法などについても検討した。
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