2012 Fiscal Year Annual Research Report
病原体が持つ抗原変異多コピー遺伝子ファミリーのメタゲノム解析
Project/Area Number |
10F00786
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五斗 進 京都大学, 化学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JOANNIN NicolasK. 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 抗原変異 / 多コピー遺伝子ファミリー / 配列解析 / データベース / マラリア原虫 / メタゲノム / 病原微生物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、病原微生物が抗原変異性を獲得してきたメカニズムを遺伝子配列の計算機解析によって解明することである。抗原変異は多くの病原微生物がホストの免疫系を逃れるために獲得してきた仕組みであり、ある種の病原微生物に対するワクチン開発が困難な理由の一つとなっている。そこで本研究では抗原変異に関わる遺伝子ファミリーを収集し、その配列を比較することにより抗原性獲得、特に配列多様性の獲得メカニズムについて明らかにする。このような解析は個々の遺伝子ファミリーではこれまでも進められてきたが、複数の遺伝子ファミリー、複数の生物種で解析するためのリソースはなかった。そのため、本研究ではデータベースをはじめとする計算機リソースを開発し、世界中の研究者がワクチン開発などに応用できるような解析環境も整備する。 平成24年度は、ブロード研究所がシーケンシングしたデータのうち、抗原変異遺伝子群の一つであるrif遺伝子ファミリーのデータを公開前に解析する許可を得たので、解析を開始することができた。まず、得られたデータから抗原変異部位を抽出する方法を開発した。抗原変異部位は、定義からも分かるように多くの変異が入った部位であるため、よく保存された配列領域を使って抽出する従来手法はそのまま適用できない。そこで、今回は、ゲノム領域の中からよく保存された領域を除外する方法を取った。この方法が適用出来るかどうかを判定するために、リファレンスとして公開されているマラリア原虫ゲノムをランダムに抽出したデータを用いてテスト行ったところ良好な結果を得たので、今後引き続きrif遺伝子の抽出を進める予定である。平成24年度は、抗原変異遺伝子のデータベースvarDBの改良も平成23年度に引続き行った。
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