2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00796
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
木村 秀夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 情報通信材料研究萌芽ラボ, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAO Qiwen 独立行政法人物質・材料研究機構, 情報通信材料研究萌芽ラボ, 外国人特別研究員
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Keywords | 強磁性強誘電体 / 磁気特性 / 複合ペロブスカイト / 価数 / セラミックス / シミュレーション / 2次元化合物 |
Research Abstract |
近年の情報通信技術の進歩により様々な電子デバイスが使用されている。しかし基本的には、半導体、圧電体、強誘電体、磁性体からなるものである。これらには従来高性能という点でPbを含む材料が使われてきた。しかしPbは環境に良くないことから、電気的接続に用いられるハンダに代表されるように、急速にPbを含まない材料に置き換わりつつある。しかし、不揮発メモリとして重要な強誘電体においては、高温用途に耐える高性能な代替品が開発されていないことから、未だにPbを含むPZT[Pb(zrTi)O_3]が主に使用されている。本研究では、Pbを含まない不揮発メモリ用新材料の開発を目的に、特に最近発見された材料に重点を置き、それら材料の実利用で問題となる良好な高温特性を持つように、材料科学の常套手段である多元素の添加、複合構造の構成を駆使して、物質から材料への転換を図る。具体的な物質としてはBiAlO_3とLuFe_2O_4を主に取り上げた。多元素の添加としては、イオン半径のみでなく価数制御、点欠陥制御にも重点を置き、真空・雰囲気中での合成を通してこれらを制御し、合成条件と結晶構造、強誘電特性との関連について調べたく。さらにLuFe2O4は、強誘電性だけでなく強磁性も発現するマルチフェロイック体であり、磁気特性についても調べた。研究に使用するツールとしては、バルク・薄膜材料の合成には、真空・雰囲気制御電気炉、各種単結晶育成装置(Cz、Fz、ファイバー)、PLD(レーザー堆積)装置を使用し、XRDや、走査・透過電顕により結晶構造を、XPSによりイオン価を調べた。特性は、LCRメーター、インピーダンスアナライザ、強誘電体テスタ、PFM(圧電応答顕微鏡)を使用して電気特性を評価し、SQUID、VSMにより磁気特性を評価した。これらは受入研究者のグループ、あるいは研究所内で共通機器として使用することができる。
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Research Products
(1 results)