2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00796
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
木村 秀夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAO Q. 独立行政法人物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | 強磁性強誘電体 / 磁気特性 / 複合ペロブスカイト / 価数 / セラミックス / シミュレーション / 2次元化合物 |
Research Abstract |
(1)2次元層状化合物Sr2-xEuxCoO4の構造、磁気、輸送特性について調べた。空間群I4/mmmのK2NiF4タイプの結晶構造であった。Euの添加量を増やすとc軸の値が減少した。キュリー温度はSr1.25Eu0.75CoO4で150Kであった。導電率の温度特性から、輸送特性はVRHメカニズムで表された。いずれのEu添加量の場合も異常に大きなMR効果が観察され、これらの化合物はCMR材料として有望である。 (2)Nd添加2次元化合物Sr2CoO4の構造、輸送、磁気特性について調べた。組成は、Sr2-xNdxCoO4(x=0.5,0.75,1,1.25)である。Eu添加の場合と同様にK2NiF4タイプの構造を持ち、空間群はI4/mmmであった。Nd添加量の増加とともにc軸の値は減少した。常磁性・強磁性相転移が観察され、転移温」度はx=1と0.75の場合で150K、100Kであった。バンド構造計算から、これらの化合物はhigh spin状態を示すことが期待される。導電率の温度依存性から、輸送特性は2次元VHモデルで表された。 (3)2次元ペロブスカイトとして、層状マンガン化合物La0.5Sr1.5Mn1-xFexO4(x=0,0.2,0.4,0.6,0.8)に注目した。いずれのMn量で単相で、空間群I4/mmmの正方晶であった。XPSによるとFeの価数はx>0で3+が維持されるのに対し、Mnの価数は、x≦0.4の場合は4+と3+の混合状態となり、x=0.6-0.8では3+のみであった。X=0の場合には、Feの微量添加が電荷秩序と軌道秩序の変化を抑制した。全ての組成においてspin-glass状態が観察され、c軸方位における異方性は、Mn3+のeg電子の軌道特性変化を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災で実験機器が被災したため、当初は研究の遂行が危惧されたが、機器が回復するまでシミュレーション中心の研究に切り替えたため、ある程度の成果を残すことができた。しかし、JSPSフェロー申請時の研究内容、目標は修正せざる負えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
被災した実験機器が使えるようになってきたため当初の計画に戻って研究を進めているが、あと5ヶ月余りなので、成果を欲張らずに、これまでの結果を整理して口頭発表、論文投稿するなど、2年間のまとめを実施する。
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Research Products
(6 results)