2011 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能A/D変換を用いた新生児・胎児用パルスオキシメータの開発
Project/Area Number |
10F00826
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
庭山 雅嗣 静岡大学, 工学部, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STUBAN N.G. 静岡大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | パルスオキシメータ / 新生児 / 胎児 / ASIC |
Research Abstract |
本研究では、集積回路(ASIC)のノイズ低減とともに、20bitの分解能のA/D変換機能をASICに組み込み、胎児の微弱な信号に対応できるよう改良開発する。また、体動にともなう光強度レベル変動は従来のハイゲインアンプの出力を飽和させ一時的な測定不能状態を生じていたが、本研究の高分解能A/D変換を有するパルスオキシメータはハイゲインアンプを必要とせず、体動に対して有利であるとともに、ノイズが重畳する要素を削減できる。 本年度の研究期間は当初H23年4月からH24年2月であったが、H24年11月まで延長が認められたため3月末までが本年度研究期間なる。まず、新たなパルスオキシメータの開発のために、集積回路(ASIC)のノイズ低減のための設計及び電子回路基板の試作を行、基礎特性実験を行ったうえで、高分解能A/D変換器を組み込んだシステムを構築した。システムの評価において胎児や新生児の頭部を模擬した生体模擬試料(ファントム)が必要で、その試作を行った。ファントムは寒天をベースとし、中に動脈を模擬したシリコンチューブを埋め込み、その径を変化させることができるようPCから自動的に管内圧力制御できるシステムを作製した。また動脈の体表からの深さも検討できるよう5本の管を配置した。ファントムを用いた評価システムの基本動作特性を確認したうえで、今回開発した新型パルスオキシメータの性能評価を行った。理論解析ともよく相関し、定量性も確認することができ、実際におけるノイズの混入などついても詳しい知見を得た。今回開発したパルスオキシメータ及びその評価システムに関して、国際会議にて発表し、海外査読付論文誌Sensorsに投稿し掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型パルスオキシメータの設計、試作、基本特性試験、理論解析が順調に遂行でき、その成果についても国際会議と学術論文で発表できており、当初計画していた内容のとおり進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初23年度で終了する予定であったが、研究が順調に進展し、さらなる高精度化が期待できるようになり、H24年度まで延長が認められた。今後、精度向上や高機能化を目指し、信号処理ソフトウェアのアルゴリズムを改良していく。
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Research Products
(2 results)