2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10F00827
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 正美 京都産業大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAZEKAS S.Z. 京都産業大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 原始語 / 文脈自由言語 / 計算量 / 複製閉包演算 / 正規言語 / 言語の保存性 / 回文 / 生成規則 |
Research Abstract |
共同研究の最終目的は、「全ての原始語からなる言語は文脈自由言語かどうか?」という未解決の問題の解決にある。研究分担者は上記言語の計算量を計算することで、上記の言語が文脈自由言語でないことを証明する試みを行った。結果としては未だ成功していないが、この方向での問題解決はかなり有望であると思われる。上記の問題に関連する言語の研究に関しては、研究代表者および研究分担者は個別に種々の研究を行ってきた。 それらの研究の突き合わせと新しい結果の紹介と検討を行った。たとえば、ある制限下にある複製閉包演算による正規言語および文脈自由言語の保存性に関して、研究代表者は数学的に正確な証明を与え研究分担者とともに検討しその正しさを確認した。この結果は本年8月にハンガリーで開催される国際会議13th International Confefence on Automata and Formal Languagesで招待講演Restricted duplication closuresとして発表される。また研究分担者は正規言語の複製閉包演算の逆演算で得られる複製根からなる言語の正規性に関し新しい結果を得た。その結果の検証を研究代表者と行った。この結果は未だ論文のかたちで正式には発表されていないが、最終目的にむけての一歩を踏み出したものと考えられる。研究代表者と研究分担者が共同で行った研究としては回文から構成される文脈自由言語の構造の決定がある。たとえば、この種の言語はA→aBa,A→aaあるいはA→a(ここでA,Bは変数、aは字母系の文字である)というかたちの生成規則を持った文脈自由文法で生成されること等が示された。この共同研究の結果は、現在共著論文として作成中で上記ハンガリーの国際会議で発表される。
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Research Products
(5 results)