2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J00057
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森澤 貴之 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウェーバーの類数問題 / 岩澤理論 / マーラー測度 / 円単数 |
Research Abstract |
研究員は本年度、有理数体の円分的Z_p拡大におけるウェーバーの類数問題に関する研究を行った。この問題に関して、堀江氏は、円分体の整数環から円単数群のある部分群への作用を調べることで、有理数体の円分的Z_p拡大の中間体の類数の非可除性についての結果を得ている。研究員は、この手法を用い、さらに、ある円単数のマーラー測度を上から評価することによって、堀江氏の結果、及び、以前の研究員本人の結果を改善することに成功した。この結果に関して、p=3の場合については、学術雑誌に論文を投稿中であり、一般のpに関しては、同志社大学の岡崎氏との共著論文を作成中である。また、堀江氏は、有理数体の円分的Z_p拡大のみならず、いくつかのpに関する円分的Z_p拡大の合併体に関しても、その中間体の類数の非可除性についての結果を得ている。研究員は、この拡大に関しても、マーラー測度を導入し、用いる円単数群の部分群を精密化することによって、堀江氏の結果を改良することに成功した。その結果に関しても現在、論文を作成中である。 研究員は本年度、岩澤理論におけるグリーンバーグ予想に関する研究も行った。特に、有理数体の円分的Z_2拡大、及び、円分的Z_3拡大の中間体の円分的Z_p拡大に関するグリーンバーグ予想が成立することを判定するための、体系的な判定法を求め、実際に計算機を用いて計算することで、グリーンバーグ予想が成立する体の無限族を得ることに成功した。この判定法を求めるにあたっては、ウェーバーの類数問題に現れる手法を用いた。この結果に関しては、早稲田大学の小松氏と日本大学の福田氏との共著論文を、学術雑誌に投稿中である。
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Research Products
(8 results)