2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J00075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 丈二 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 多孔性材料 / ポリマー / 炭素材料 / HPLC分離担体 / 電気二重層キャパシタ |
Research Abstract |
相分離を伴う、ジビニルベンゼンのリビングラジカル重合により、サブミクロン~数ミクロン程度の狭い細孔径分布を有するマクロ孔と、そのゲル骨格中にメソ孔を有するモノリス型多孔性ポリマーを合成し、その細孔径制御およびHPLC分離担体としての応用に関する研究を行った。出発組成や温度条件などの検討により、ゲル骨格内に存在するメソ孔径の精密制御を試みたが、今のところ良好な結果を得られていない。多孔性ポリマーの応用として、内径100ミクロンのキャピラリ内でポリマー多孔体を合成したキャピラリカラムを用いて、分離評価実験を行った。その結果、今までポリマーカラムでは困難であるとされてきた低分子の分離に成功した。 また、スルホン基を導入したポリマー多孔体を不活性ガス雰囲気中で炭素化させることにより、マクロ多孔性カーボンを作製した。これを様々な条件を最適化することで、割れのないモノリス型カーボン多孔体を作製し、HPLC分離担体として応用したところ、シトシン・ウラシル・チミンの分離に成功した。しかし、カラム性能としては、良好なものではなかった。 さらに、カーボン多孔体を賦活化させることにより得られた、大比表面積を有するカーボン多孔体からバルク状電極を作製し、電気二重層キャパシタとして応用したところ、10mV s^<-1>で166 F g^<-1>、200 mV s^<-1>という速いスキャンレートにおいても100 F g^<-1>という高容量が得られた。活性炭など、炭素材料の電気二重層キャパシタは、これまで粉末から作製したものの研究がほとんどで、このようなバルク型電極による、多孔性炭素材料の電気化学特性評価はほぼ例がないため、かなり意義深いものであると考えられる。
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