2010 Fiscal Year Annual Research Report
結晶場基底状態に軌道自由度を持つ希土類化合物に出現する部分成分磁気秩序の解明
Project/Area Number |
10J00093
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
眞田 直幸 横浜国立大学, 工学府, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 物性物理学 / 希土類金属化合物 / 逐次磁気相転移 / 多極子 / 四極子間相互作用 / 相互作用の競合 |
Research Abstract |
1、汎用物性測定装置PPMSを利用した位相比較法による弾性定数測定装置の開発 極低温、強磁場で測定可能となるように様々な測定環境を改善することにより、非常に高精度な弾性定数のデータを測定することが可能となった。このシステムは汎用性の高い実験装置であるPPMSと組み合わせたところに特長があり、同装置を所有する多くの研究機関において測定が可能となるメリットがある。 2、TbCoGa_5の磁場中弾性定数測定 上記の装置を完成させ、TbCoGa5の磁場中における弾性定数測定を行った。これにより、TbCoGa5の磁気相図に関するデータを得ることができた。 3、DyRhIn_5、NdCu_2Ge_2の大型単結晶育成及び弾性定数測定 DyRhIn_5及びNdCu_2Ge_2の大型単結晶の育成に成功し、これらを用いて次年度の計画である基礎物性測定及び弾性定数測定を行った。その結果、DyRhIn_5はTbCoGa_5と類似した磁気相転移を示すものであるのに対し、NdCu_2Ge_2の磁気相転移はDyRhIn_5ように当初推測していたものとは異なるタイプの相転移であることが明らかになった。 以上の成果は本研究の目的である部分成分磁気秩序の解明、すなわち軌道間相互作用と磁気相互作用の関係を明らかにしようとする上で重要な進展である。特にNdCu_2Ge_2の物性が研究開始時に推測したものとは異なることが明らかとなり、さらなる研究発展の可能性が拡がっている。
|
Research Products
(4 results)