2010 Fiscal Year Annual Research Report
植物のアルミニウム耐性に関与するトランスポーターの単離と機能解析
Project/Area Number |
10J00228
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横正 健剛 岡山大学, 資源植物科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アルミニウム耐性 / トランスポーター / ソバ / 鉄欠乏 / クエン酸 |
Research Abstract |
1.ソバのアルミニウム耐性に関与するトランスポーターの解析 ソバはアルミニウム(Al)耐性が強いだけではなく、地上部に高濃度のAlを集積することができる。本研究では当研究室で構築したソバのcDNAライブラリーの情報に基づいて、発現上位にあるFeIREGに着目し、その全長の単離と機能解析を行った。RACE法を用いて完全長cDNAを単離したところ、FeIREGはシロイヌナズナのAtIREG2とアミノ酸レベルで約60%の相同性を示した。しかし、シロイヌナズナAtIREG2とは発現パターンが異なり、ソバのFeIREGは根で発現し、アルミニウムによって発現が誘導され、Al処理6時間後には約20倍に増加していた。しかし、CdやLa処理による発現の影響は受けなかった。この遺伝子とGFPの融合タンパク質をタマネギ表皮細胞に発現させたところ、液胞膜に局在していた。これらのことからFeIREG2はAlの液胞への隔離に関与している可能性が考えられる。 2.イネのクエン酸トランスポーター(OsFRDL2)の解析 Multidrug and toxic compound extrusion (MATE)に属するOsFDRL2について機能解析を行った。OsFRDL2はアミノ酸レベルでOsFRDL1とは58%、OsFRDL4と53%の相同性を持つ。OsFRDL2の発現解析を行った結果、この遺伝子は根の先端より基部側での発現が多く、Alによって誘導されることが明かとなった。OsFDRL2の破壊株をもちいて生理学的な解析をすすめたが根圏へのクエン酸の分泌や導管液中のクエン酸濃度がやや低下するものの顕著な表現型は見られなかった。そこでOsFRDL2の機能はOsFRDL1、OsFRDL4と重複しているのではないかと考えosfrd11/osfrd12, osfrd14/osfrd12のダブルミュータントを作成し解析をおこなった。異なる鉄濃度で栽培しSPAD値を計測したところ、いずれの鉄濃度でもosfrd11/osfr12ダブルミュータントはosfrd11シングルミュータントよりSPAD値が低下しており、顕著なクロロシスが見られた。
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Research Products
(6 results)