2010 Fiscal Year Annual Research Report
Ni・MHを用いたFuel Cell/Battery(FCB)システムの開発
Project/Area Number |
10J00342
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
崔 復圭 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 燃料電池 / 二次電池 / 二酸化マンガン / 酸素による化学充電 |
Research Abstract |
近年、本研究者は大容量電力貯蔵及び高効率発電が同時にできるFuel Cell/Battery(FCB)システムを提案してきた。このシステムは燃料電池及び二次電池を一体化したシステムで、電力貯蔵ができると共に、外部燃料(水素)の供給により発電ができることが特徴である。この特徴により本システムは既存の二次電池と比べてエネルギー密度の飛躍的な向上が期待される。そこで、本研究では二酸化マンガンを用いてFCBシステムのカソードの開発を行った。二酸化マンガンは安価、高導電率、高い反応性という特徴を持ち、また高放電容量を有する。さらにMnO2は、1電子反応時は安定な電気化学的酸化還元反応を有する、1電子反応後に生成されるMnOOHは酸素ガスにより化学的に酸化される、酸素還元触媒として使用できる等の特徴を持ち、本システムのカソードとして利用できることが考えられる。実験方法として、カソードは二酸化マンガン、導電助剤のカーボンブラック、バインダーのポリテトラフルオロエチレンを重量比10:3:1で混練したペースト状の混合物を直径20mmの円盤状発泡ニッケルシート塗布し110℃で30分程度乾燥した後、6MPaで10分間圧着させることで電極を作製した。この電極を用いてMnO2の酸素ガスによる充電特性を調べた。酸素ガスによる化学的な充電特性を調べるために、1電子反応まで放電を行ったMnO2電極に酸素ガスを供給し、その際の電位挙動を測定した。-0.5Vまで降下したMnO2電極に放電を休止し酸素ガスを供給すると、電極電位は1時間の酸素供給で-0.19Vまで回復し、酸素遮断した後も約40分間の放電ができた。以上の結果からMnO2電極は電気化学的(外部電力供給による)な充電も、化学的(酸素ガス供給による)な充電もできることが確認され、FCBシステムのカソードとして適していることが分かった。
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