2011 Fiscal Year Annual Research Report
白血病幹細胞を標的とした新規治療法確立のための基礎研究
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10J00360
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
西岡 千惠 高知大学, 医学部, 特別研究員PD
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Keywords | AML / leukemia stem cells / CD82 / MMP9 |
Research Abstract |
我々は、急性骨髄性白血病(AML)患者から採取した白血病細胞中のCD34+/CD38-AML細胞とCD34+/CD38+AML細胞をautoMACS(ミルテニー)を使って分離し、これらの細胞の蛋白質を抽出した。そして、両者間の蛋白質レベルでの発現比較をiTRAQ法を用いて網羅的に行い、CD34+/CD38-AML細胞で特異的に発現している蛋白質をいくつか同定した。近年、白血病幹細胞の細胞表面上の接着分子と骨髄内のニッチとの相互作用が幹細胞としての特性および機能を維持するために重要であると報告されているため、接着分子は白血病幹細胞根絶のための標的として効果的であると考えられる。そこで今回我々は同定した蛋白質の中から接着分子であるCD82に注目し、CD34+/CD38-AML細胞における機能解析を行った。その結果、CD34+/CD38-AML細胞におけるCD82発現を抑制させるとマトリックスメタロプロテアーゼ9(MMP9)の発現が増加し、CD34+/CD38+AML細胞にCD82を強制発現させたところMMP9発現は低下した。また、CD82発現を抑制させるとフィブロネクチンへの接着能が低下し、遊走能が増加した。一方、CD82をCD34+/CD38+AML細胞に強制発現させると接着能は増加し、遊走能は低下した。これらの結果から、CD82は骨髄内のニッチへの接着にも影響を及ぼすのではないかと仮定した。そこで近年になって開発された超免疫不全マウスにCD82shRNAを用いてCD82発現を抑制したCD34+/CD38-AML細胞を尾静脈から移植したところ、9週間後にはコントロール群に比べてマウスの骨内膜におけるヒト細胞の生着が阻害された。以上の結果から、CD82は白血病幹細胞の骨髄内のニッチへの接着に影響を及ぼしている可能性を示唆できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD34+/CD38-急性骨髄性白血病細胞特異的に発現していた接着分子CD82の同定とその機能解析まで行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらにCD82のシグナル経路を検討し、CD82がどのように白血病幹細胞の自己複製能やニッチへの接着に関わりがあるのかどうかを調べる。また市販のCD82抗体でCD82の機能が抑制されるのかどうかなどを検討し、細胞表面上の、CD82の阻害による効果を検討していく。
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