2011 Fiscal Year Annual Research Report
ルテニウム/リチウム複合錯体によるカルボニル化合物の不斉シアノシリル化
Project/Area Number |
10J00370
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
植村 真人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ルテニウム / リチウム / 不斉シアノシリル化 / 不斉ヒドロシアノ化 / 不斉触媒 / ケトン / イミン |
Research Abstract |
光学活性シアノヒドリン誘導体は医薬合成の優れた中間体であるため、その効率的供給法の開発が望まれている。報告者は、光学活性ジボスフィンBIANPとアミノ酸を配位子とするRu錯体とリチウム塩からなる触媒系を用い、ケトン類の高エナンチオ選択的シアノシリル化を達成した。さらに本研究を発展させ、イミン類の高エナンチオ選択的ヒドロシアノ化反応も達成した。以下に概要を示す。 (1)単純ケトン類の不斉シアノシリル化 BIANPとフェニルグリシネートを配位子とするRu錯体とリチウムフェノキシドからなる触媒系を用い、基質/触媒=1000、-60℃の条件下、対応する生成物を単離収率97%、90%eeで得た。 (2)アルコキシケトン類の不斉シアノシリル化 アルコキシケトンやケトアセタール化合物の不斉シアノシリル化反応は、得られた生成物が高度に官能基化された第3級の光学活性アルコール誘導体であり、多彩な構造をもつ生理活性物質合成への展開も期待される。これらの基質に対して、BINAPとtert-ロイシネートを配位子とするRu錯体が極めて高いエナンチオ選択性を示すことが分かった。α,α-ジエトキシアセトフェンを基質として用いると、光学活性シアノヒドリンジリルエーテルが99%eeで定量的に得られた。α-アルコキシケトンやβ,β-ジアルコキシケトンを基質として用いた反応においても、高収率、高エナンチオ選択的に目的生成物を得た。 (3)アルジミン類の不斉ヒドロシアノ化 光学活性α-アミノニトリル類は、医薬合成や生物化学研究に不可欠な光学活性α-アミノ酸類へ容易に変換できることから、その効率的な供給法の開発が望まれている。その代表的供給法であるイミン類の触媒的不斉ヒドロシアノ化反応において本触媒系を適用し、これまで課題とされてきた基質の一般性や高い触媒活性とエナンチオ選択性の獲得に成功した。
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Research Products
(5 results)