2011 Fiscal Year Annual Research Report
人工腫瘍幹細胞を用いた神経膠芽腫に対する抗血管ニッチ療法
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10J00382
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大須賀 覚 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 癌幹細胞 / ニッチ / 神経膠芽種 / Diffusion tensor imaging / 圧迫 / 頭蓋内圧亢 |
Research Abstract |
上記課題に対しての研究アプローチとして主に二つの主題で研究を行った。一つは脳腫瘍幹細胞に関しての基礎的検討であり、もう一つはMRIを利用した新規病態解析システムの構築研究であった。 1.脳腫瘍幹細胞に関しての基礎的検討 腫瘍幹細胞の性質を再現した人工がん幹細胞(induced cancer stem cell: iCSC)を作成し利用することで、今までの細胞株を利用した研究では解明されなかった幹細胞・ニッチの特徴を解明しようとしている。下記項目に関して研究を継続している。 A) 脳腫瘍幹細胞治療抵抗性モデル作成(完了) B) モデル細胞の幹細胞性質の検証(完了) C) 脳腫瘍幹細胞治療抵抗性に対するターゲット分子の選定(完了) D) 脳腫瘍幹細胞に対する新規治療方法の確立(進行中) 2. MRIを利用した新規病態解析システムの構築研究 拡散現象を利用した圧迫病態評価法の確立を行うことによって、血管新生抑制療法の効果判定に利用し、最終的には脳腫瘍患者の正確な病態把握を行う目的で研究を行っている。 A) 組織圧迫変化を評価する新規方法の確立(完了) B) 脳内組織の圧迫程度を可視化する画像技術を開発し、特許出願を果たす(完了) C) 各種臨床病態においての有効性の評価(完了) D) 血管新生抑制療法の効果判定への応用の検討(進行中)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
我々が当初計画していた研究範疇にとらわれず、柔軟に対応することにより、従来想定していたよりも大きな成果を上げることができている。脳腫瘍基礎研究に関する分野では、重要な分子ターゲットの選定に成功している。画像分野では当初よりも広範な分野で利用可能な技術開発が行なえており、実際の臨床分野でも注目されうる結果をあげている。特に本年度は臨床例での有効性を示した論文が脳神経外科分野の一流誌に掲載されることが決定しているなど、実際の成果があがっている。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍幹細胞に対する治療方策に関しては、重要な分子の同定がおこなえているので、次年度はこの機序の詳細な解明を行い、腫瘍幹細胞特異的な治療戦略を構築したいと考えている。 画像分野における研究では、現在成功している方法をさらに発展させて、実臨床で使用可能な技術へと確立したいと考えている。また、血管新生分野への応用方法を模索したいと考えている。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Invasion precedestumor mass formation in a malignant braintumor model of genetically modified neural stem cells2011
Author(s)
Sampetrean O, Saga I, Nakanishi M, Sugihara E, Fukaya R, Onishi N, Osuka S, Akahata M, Kai K, Sugimoto H, Hirao A, Saya H
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Journal Title
Neoplasia
Volume: 13(9)
Pages: 784-91
DOI
Peer Reviewed
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