• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Annual Research Report

脳機能と神経機構の関係の解明を目的とした神経細胞モデルによる変化点検出問題

Research Project

Project/Area Number 10J00396
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

金 秀明  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

Keywords単一神経細胞 / 変化検出 / leaky integrate-and-fireモデル
Research Abstract

動物の脳が実現する機能の中で、餌や天敵の出現などといった「変化」を素早く検出する能力は重要な機能の1つである。外界の変化は脳内で神経スパイクの平均発生頻度(発火率)の変化として符号化、伝達されることが知られているが、脳がこの発火率の変化をどのような機構を用いて検出しているかは分かっていない。そこで私はまず、もっとも単純な脳内の変化検出機構として、脳内情報処理の最小素子である単一の神経細胞を想定し、神経細胞の検出装置としての性能を理論的に考察することを着想した。
我々はまず、神経細胞の入出力モデルとして標準的なleaky integrate-and-fire(LIF)モデルを採用した。変化を伴った入力信号を受けるLIFモデルが、スパイクと呼ばれる鋭い波形の電気パルスを出力する瞬間を変化の検出と考える。このモデルには膜時定数、発火閾値という2つの神経パラメータが存在するため、LIFモデルの変化検出装置としての性能を評価するためにはそのパラメータを検出に最適な値に設定しなければならない。我々は標準的な性能評価指標のもと、確率微分方程式の理論を駆使して、最適なパラメータを高速に探索できる数学的アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムを用いて神経細胞モデルの検出装置としての性能を解析したところ、統計学的に最適な検出方法と同程度の性能を実現できることが明らかとなった。また、発火率に雑音が混じる、或は発火率が複数回変化する、というような、より現実に近い設定での検出性能を解析したところ、神経細胞モデルは統計学的に最適な検出法より頑強に機能し、多くの状況で統計学的手法より高い性能を誇ることが明らかとなった。さらに我々は、検出性能を最大化するモデルパラメータ値が、現実に脳内の神経細胞が有する値に極めて近いことを示した。以上により、我々は個々の神経細胞は単体で優れた変化検出装置として脳内で機能できることを証明した。この成果により、脳内の変化検出機構が少数の細胞で実現できることが理論的に保証されたことになる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Neurons as ideal change-point detectors2012

    • Author(s)
      Hideaki Kim, Barry J.Richmond, Shigeru Shinomoto
    • Journal Title

      Journal of Computational Neuroscience

      Volume: 32 Pages: 137-146

    • DOI

      10.1007/s10827-011-0344-x

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Elemental spiking neuron model for reproducing diverse firing patterns and predicting precise firing times2011

    • Author(s)
      Satoshi Yamauchi, Hideaki Kim, Shigeru Shinomoto
    • Journal Title

      Frontiers in Computational Neuroscience

      Volume: 5 Pages: 1-15

    • DOI

      10.3389/fncom.2011.00042

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-06-26  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi