2012 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス蛋白質に注目したNSAIDsの多彩な薬理作用に関する研究
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10J00614
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
難波 卓司 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | NSAID / ORP150 / HSP family / 肺線維症 / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
今年度は、NSAIDによって誘導されるORP150と肺線維症に関する研究が進んだので報告する。我々は、薬剤性肺線維症を起こす薬剤の中には、ORP150を増やすことにより肺線維症を防いでいるのではないかと考えた。そして、薬剤性肺線維症を起こす薬剤(ブレオマイシン)のORP150発現に対する効果を検討したが、ORP150の発現を増やすことを発見した。そこで動物モデルにおいてORP150の役割を解析した。ブレオマイシンを野生型のマウスに与えると激しい肺の線維化が起こるが、ORP150ヘテロノックアウトマウスではほとんど起こらないことを予想と反して発見した。つまり、ORP150は肺線維症の増悪因子であることが初めて発見された。増悪機構としては、肺線維症の重要な増悪因子であるTGF-betaの活性化を促進していることを示唆した。この研究結果は、すべてのHSP familyが肺線維症を抑制するのではないということを明らかにした点で非常に重要である。HSP familyすべてを誘導するより特定のHSP(その疾患に対する治療効果が高いもの)を誘導する化合物のほうがより効率よく疾患を治療できることが考えられる。このような観点からNSAIDライブラリー、及びその他の化合物ライブラリーからHSP誘導を行う化合物を探索した結果、HSP70(アルツハイマー病や肺線維症に対して高い治療効果を持つ)を他のHSPに比べて強く誘導する化合物を発見した。実際にこの化合物を疾患動物モデルに使用したところ、他のHSP誘導化合物と比べて高い治療効果が示唆された。今後はこの化合物の効果を様々な疾患モデルで検討して行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に示したように、HSP familyであるORP150の肺繊維症における役割を解明した。また今年度は、NSAIDライブラリー、及びその他の化合物ライブラリーからHSP誘導を効率よく行う化合物を同定し、アルツフハイマー病や肺繊維症の治療法を示唆する成果をあげることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
特に変更の必要はない。
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Research Products
(2 results)