2010 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫によるヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)発現の生体内抑制機序
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10J00630
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
金原 秀一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | HTLV-I / ATL / I型インターフェロン |
Research Abstract |
Human T cell leukemia virus type-I (HTLV-1)は成人T細胞白血病(Adult T cell leukemia : ATL)の原因ウイルスである。感染者生体内では、ウイルス遺伝子の転写が非常に低レベルであることが知られている。HTLV-I発現の低下は、感染細胞を獲得免疫から逃避させ、生涯にわたる持続感染を成立させる大きな要因と考えられる。このため、この現象はHTLV-I感染から種々の病態の発症に至る機序を理解する上で非常に重要であると考えられる。しかしながら、HTLV-I発現抑制機序は未だ解明されていない。我々は、HTLV-I感染がI型インターフェロン応答を誘導し、これによりウイルス発現が抑制される現象をin vitroの実験系で見いだした。しかしながら、感染者生体内における現象と同様であるかは不明である。生体内におけるHTLV-Iと自然免疫の相互関係を理解するために、我々はまず、HTLV-I感染細胞がどのような機序でI型インターフェロン産生を誘導しているかを解明する事が重要であると考えた。自然免疫に関する種々の研究により、TLR (Toll Like Receptor)やRIG-I (Retinoic Acid-Inducible Gene-I)等のPRR (Patten Recognition Receptors)によって種々のウイルス核酸が認識され、続いてI型インターフェロン産生が誘発される事が明らかとなっている。本研究課題において我々は、PRRによって認識される可能性のあるHTLV-I遺伝子由来の核酸を探索してきた。現在のところ、ウイルス粒子構成遺伝子とは無関係と思われる転写産物を見いだすことに成功している(論文準備中)。さらに、この転写産物の機能、詳細の特徴に関して現在、調査を進めている。
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Research Products
(1 results)