2011 Fiscal Year Annual Research Report
活動性が高い血管内皮前駆細胞の網膜色素変性症モデルマウスへの硝子体注の効果の検討
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10J00752
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 慎一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 血管内皮前駆細胞 / 網膜色素変性症 / Aldehyde dehydrogenase活性 / CCL2 |
Research Abstract |
網膜色素変性症は、日本において中途失明の三大原因の一つであり難病特定疾患に認定されている遺伝病であるが、現在確実な治療法が存在しない。視細胞の一つである杵体細胞が主に障害される。また同時に網膜血管の委縮も徐々に進行していく。 現在、血管内皮前駆細胞(EPC)を用いた虚血性疾患に対する細胞治療の有効性について報告されている一方で、期待したほどの効果が得られていないとの報告もなされている。即ちEPCは、均一の集団ではなく、その中に虚血改善能の低いEPCも含まれていることを示唆するものである。 Aldehyde dehydrogenase(ALDH)活性を指標とし、機能性の高いEPCの分離を試み、ALDH活性の低いEPC(Alde-Low EPC)において増殖能・虚血改善能が高いことを明らかにした。この機能性が高いAlde-Low EPCを用いて、神経変性疾患であるとともに血管委縮性疾患でもある網膜色素変性モデルマウスへ投与し、血管・神経保護作用について検討を行ったところ、Alde-Low EPC投与群では、有意に血管委縮及び神経変性に至る速さを抑制した。さらに視細胞層におけるアポトーシスを有意に抑制した。 また、組織学的解析によりAlde-Low EPCを投与した網膜には大量のマクロファージが遊走してくる事が明らかとなった。機能性の高いAlde-Low EPCsは単球遊走因子であるCCL2を高発現していた。機能性が高くCCL2の発現が高いAlde-Low EPCsに対しshRNAを用いてCCL2の発現を低下させた。一方、機能性が低くCCL2の発現が低いAlde-HighEPCsに対しCCL2を過剰発現させた。マクロファージの機能を低下させるためにLiposomeを用いAlde-Low EPCsと共に注入した。shRNAを用いてCCL2の発現を低下させたAlde-Low EPC投与、LiposomeおよびAlde-Low EPC投与群ではそれぞれ血管・神経保護作用は低下した。CCL2を過剰発現させたAlde-High EPC投与では血管・神経保護作用が回復した。 以上より、機能性が高いAlde-Low EPCによる血管・神経保護作用はCCL2の分泌およびマクロファージの遊走が関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在実験がほぼ終了し論文投稿直前である。
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Strategy for Future Research Activity |
論文投稿直前であり、必要に応じて追加実験を行う予定である。
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Research Products
(7 results)