2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規光学活性ビナフチル型二級アミン触媒の開発とその応用
Project/Area Number |
10J00757
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白水 文貴 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 有機分子触媒 / 不斉反応 / 臭素化反応 / アルデヒド / エナミン / エナンチオ選択的 / ジアステレオ選択的 / ブロモヒドリン |
Research Abstract |
有機ハロゲン化合物は様々な化合物へと変換可能であることから、その効率的な合成法の確立は重要な研究課題の一つとなっている。なかでも、カルボニル化合物の不斉α-ハロゲン化反応によって得られる光学活性α-ハロカルボニル化合物は合成化学上の有用性が高く、これまでにも多くの不斉フッ素化反応や塩素化反応が報告されている。しかしながら、より脱離能が高く、有機合成上有用な化合物を与える不斉ヨウ素化反応や臭素化反応に関しては、触媒反応か等量反応かを問わず、その報告例は限られている。 当研究室では、ビナフチル骨格を有する二級アミン触媒を用いることで、アルデヒドの直裁的不斉ヨウ素化反応を実現しているが、類似の臭素化反応によって得られるα-臭化アルデヒドは、α-ヨウ化アルデヒドに比較して安定で取り扱いが容易であるにも関わらず、その不斉合成の報告は少ない。今回我々は、新たに開発したビナフチル型二級アミン触媒を用いることで、基質一般的なアルデヒドの直截的不斉臭素化に成功した。 また、臭素化反応後にも生成物がアルデヒド部位を有していることから、ワンポットでグリニャール試薬を作用させたところ、連続する二つの不斉炭素を有するプロモヒドリンが高ジアステレオ選択的に得られた。
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