2010 Fiscal Year Annual Research Report
液晶ナノミセルの構造とダイナミクスにおけるサイズ効果
Project/Area Number |
10J00797
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内田 幸明 京都大学, 理学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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Keywords | ソフトマター物理学 / 液晶 / DDS / マイクロフルイディクス / 材料化学 / 磁性 / 有機ラジカル液晶 / コロイド |
Research Abstract |
平成22年度~24年度の3年間における研究計画として、分子間強磁性的相互作用や蛍光発光、電荷移動等の局所構造に依存する性質を持つ液晶性物質をコアに用いてナノミセルを作製し、相互作用に対するコアサイズ依存性について検討し、液晶相の局所構造を明らかにし、この液晶ナノミセルを利用した新しい磁場制御ドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発を行うことを予定していた。まず、液晶相として常磁性液晶性化合物を用いた液晶ナノミセルの作製を行った。電子常磁性共鳴(EPR)スペクトル測定によって、常磁性分子がミセル内に取り込まれていることを確認した.さらに、動的光散乱(DLS)測定によってミセル内に取り込まれた常磁性化合物が液晶相を発現することを明らかにした。また、液晶ナノミセルに使用する常磁性液晶が示す、液晶相に特有な分子間強磁性的相互作用のメカニズムについて、EPRスペクトル・磁化率測定により明らかにした。加えて、上記の研究内容に付随して、新規強誘電性有機ラジカル液晶の合成・物性に関する研究を行った。一方、液晶ナノミセルよりもサイズの大きな液晶液滴についても積極的に研究を行った。まず、ネマチック液晶液滴中において新たなコロイド配列・欠陥配列を見出し、そのメカニズムを明らかにした。また、一次元フォトニック結晶としての性質を持つコレステリック液晶に注目し、コレステリック液晶を油相とするW/O/Wエマルションを作製した。そして、この構造が3次元的に等方的なレーザー共振器としての性質を持つことを明らかにした。さらに、国内外の研究者との共同研究により、積極的な学会誌等への発表等を行った。以上の研究により、研究発表の項に記述されているとおり、雑誌論文4件、学会発表8件の業績を残した。
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Research Products
(13 results)