2010 Fiscal Year Annual Research Report
超弦の場の理論におけるローレンツ共変なゲージ固定に関する研究
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10J00819
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥居 真吾 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 弦理論 / 超弦の場の理論 / ゲージ固定 |
Research Abstract |
平成22年度は、超弦の場の理論[Nucl.Phys,B459(1996)439; JHEP O111(2001)047]の作用関数のうち、特にボソンを記述する部分のゲージ固定に取り組んだ。この理論では、Yang-Mills理論などとは異なり、ゲージ固定の際に導入するゴースト場の作用関数もまた新たなゲージ自由度を持っており、ゴースト場のゴースト場なども含めた無限個のゴースト場(及び反ゴースト場)が必要となる。私は、二の問題にシステマティックに対処するために、Batalin-Vilkovisky形式[Phys.Lett.B102(1981)27]を用いた。この形式に基づくゲージ固定は、本質的に、マスター方程式というものを解くことに帰着される。そこでまず、自由場の理論においてゲージ固定を行い、マスター方程式の解を構成するとともに、その際に現れる無限個のゴースト場がどのような量子数を持つかを調べた。次に、自由場の理論における結果をもとに、相互作用のある理論に取り組んだ。相互作用がある場合には、一般に、マスター方程式の解を構成することは容易ではない。しかし、問題解決のための第一ステップとして、超弦の場の理論の作用関数(これは場に関して無限次までの相互作用項を含む)を結合定数に関して展開することにより、場に関して3次までの次数でマスター方程式の解を構成することに成功し、その成果を国内の学会及び国際会議において発表した。
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