2011 Fiscal Year Annual Research Report
超弦の場の理論におけるローレンツ共変なゲージ固定に関する研究
Project/Area Number |
10J00819
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥居 真吾 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 弦理論 / 弦の場の理論 / ゲージ固定 |
Research Abstract |
ローレンツ共変性が明白な超弦の場の理論の研究においては、Wittenによる定式化[Nucl.Phys.B276(1986)291]の持つ問題点を解決するために、様々な定式化が考えられてきた。そのような定式化のうち、本研究では特に、Berkovitsによって提案された超弦の場の理論[Nucl. Phys. B459(1996)439; JHEP 11(2001) 047]を扱っているが、平成23年度は前年度に引き続き、作用関数のうちで特にボソンを記述する部分のゲージ固定に取り組み、JHEP 03(2012)030において、まず自由場の理論のゲージ固定を完遂させた。同論文では、幾つかのゲージ固定条件を提案し、対応するプロパゲーターの導出を行った他、自由場の理論の範囲内で、ゴースト場まで含めたゲージ固定後の作用関数が、Wittenの理論とBerkovitsの理論とでどのように対応しているかを示した。また、相互作用がある場合のゲージ固定を扱う上で重要となるBatalin-Vilkovisky形式[Phys. Lett. B102(1981)27]との関係の考察も行った。その後に執筆した論文(JHEPに掲載確定)では、さらに、より一般のゲージ固定条件を考えることにより、プロパゲーターの持つ普遍的な構造を明らかにすることにも成功した。相互作用がある場合に関しては、まだ完全なゲージ固定には成功していないが、問題解決に向けて、Prog. Theor. Phys. Suppl. 188(2011)272において与えた結果を含む様々なアプローチを、現在、論文にまとめているところである。 以上の研究成果は、超弦の場の理論の量子化に向けた取り組みの第一歩として重要であるが、上記の論文に加え、格子上の場の理論においてフェルミオンの持つ対称性について考察した論文もJHEP 01(2012)048として出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超弦の場の理論の持つ対称性は、相互作用がある場合には極めて複雑な構造をしていることから、ボソン部分においてさえも未だ完全なゲージ固定には至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点ではまだゲージ固定の完遂には至っていないものの、これまでに、問題解決のために有用と思われる幾つかのアプローチが得られており、その結果を現在論文にまとめているところである。このアプローチを用い、まずはボソン部分のゲージ固定を完了させた後、フェルミオンまで含む作用関数のゲージ固定を行おうと考えている。
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Research Products
(6 results)