2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアーゼ受容体PAR-2を軸としたイヌIBD病態の解
Project/Area Number |
10J00914
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 真吾 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PAR-2 / 炎症性腸疾患 / イヌ / ケモカイン |
Research Abstract |
(1)イヌIBD症例21頭の小腸内視鏡バイオプシーサンプルおよび糞便サンプルを採取した。計50症例を目標として今後も症例数を増やしていく予定である。 (2)採取した小腸サンプルにおけるケモカインmRNA発現量の網羅的解析を行い、複数のケモカイン.(CCL2,CCL20,CCL25,CCL28およびCXCL8)のmRNA発現量がIBD症例において亢進していることを明らかにした。この研究結果は現在Veterinary Imunology and Imunopathology誌に投稿中である。 (3)採取した糞便サンプルにおけるセリンプロテアーゼ活性を測定した。IBD症例において糞便中のセリンプロテアーゼ活性が亢進していることが明らかとなった。この結果はIBD症例では腸管腔内のプロテアーゼ活性が高まることにより、PAR-2が活性化されやすくなる環境が形成されている可能性を示唆する。現在、PAR-2の活性化により、腸上皮細胞からケモカイン産生が誘導されることを証明しようと試みている。 (4)イヌの腸上皮初代培養細胞を作製した。しかし、初代培養細胞の生存期間は1-2週間と非常に短く添加実験等が難しく、また新生子犬は定期的に入手することは困難なため、現在SV40 Large T antigenを初代培養細胞に遺伝子導入することで不死化させることを予定している。
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