2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しいポルフィリノイドの創製と有機金属触媒への展開
Project/Area Number |
10J00921
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
徳地 澄人 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポルフィリン / 縮環反応 / アセチル化 / ピナコールカップリング / ピンサー型錯体 / イミノ化 |
Research Abstract |
ポルフィリンβ位選択的ホウ素化を起点とした官能基導入の一環としてβ位アセチル化に成功し、β位モノアセチル化ポルフィリン及びジアセチル化ポルフィリンを得た。 モノアセチル化体に対してジヨードサマリウムを用いたピナコールカップリングと続く酸性条件下での転位を行うことによりβ位同士が一つのsp^3炭素原子で架橋されたポルフィリン二量体の合成に成功した。さらに強酸を作用させると、テトラヒドロペンタレン縮環ポルフィリン二量体が生成することを見出した。ポルフィリン二量体は人工光合成材料のモデル化合物として注目され、種々合成されている。テトラヒドロペンタレン縮環ポルフィリン二量体のようなメゾ位・β位それぞれが一つのsp^3炭素原子で架橋されたポルフィリン二量体の合成はこれまでに例がない。X線結晶構造解析によりその構造を明らかにするとともに、その光化学的性質も明らかにした。 さらにジアセチル化ポルフィリンを用いて新規ポルフィリンピンサー型錯体の開発を試みた。当研究室では配向基としてピリジル基やイミダゾリル基といったヘテロ環を用いたポルフィリンピンサー型錯体しか報告していない。それらとは異なる配向基の導入により新規物性が期待できる。アセチル基のままでは配向基として不十分なため、イミノ化を行った。配位子の安定性も考慮に入れると2,2'-チオジアニリンが適当であると分かった。現在、生成した配位子にたいして種々金属錯化を試みている。
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