2010 Fiscal Year Annual Research Report
形式概念分析によるラティス型大規模情報管理システムの提案とその概念形成への展開
Project/Area Number |
10J01036
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
澤勢 一史 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 形式概念分析 / ラティス / ファイル管理 / 情報爆発 / 情報可視化 |
Research Abstract |
本年度は、大きく二つのテーマについて取り組んだ。 ●ラティスの複雑さを表す指標の定義およびその評価 ●ラティスとツリーの相互変換アルゴリズムの提案・実装 本研究で提案している「ラティス型ファイル管理システム」の欠点として、対象であるファイル構造の規模が大きくなると、ラティスが複雑になってしまうことが挙げられる。これは、提案システムの大きな問題の一つである。そこで、ラティスの複雑さを表す指標を定義すると共に、指標の妥当性の検証を行った。複雑さの指標は、情報量を表す「エントロピー」を基にしており、ラティスの持つ情報量と複雑さの関係に着目したものである。検証の結果、提案指標はラティスの複雑さを示しているが、改善の余地があることが分かった。提案指標を改善した後、それに基づいてラティスの簡易化について検討しようと考えている。 また、これまで実装したラティス型ファイル管理システムでは、ラティスの生成時にユーザに多大な負担を強いていた。ユーザの負担を軽くするため、ファイル管理に広く用いられているディレクトリ構造(ツリー)からラティスを生成するアルゴリズムを提案し、開発しているファイル管理システムに組み込んだ。これにより、既存のディレクトリ構造からラティスを生成するのみならず、ラティスを経由したディレクトリ構造の再構築も行うことが可能となった。現在、被験者による新たな提案システムの評価実験を進めており、結果がまとまりしだい論文誌に投稿する予定である。
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