2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサイズ光触媒を用いる可視光利用型物質変換プロセス
Project/Area Number |
10J01210
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚本 大治郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光触媒 / 物質変換 / 酸化チタン / 酸化タングステン / 複合酸化物 / 可視光 / 金ナノ粒子 / プラズモン光吸収 |
Research Abstract |
光触媒を利用する物質変換は、クリーンかつ省エネルギー的な方法のみならず、太陽光エネルギーを利用できる可能性があり、環境調和型のプロセスを構築するうえで、重要な課題の一つといえる。本研究では、ナノサイズ化した材料を利用することによる物質変換プロセスの実現を目的とする。 平成23年度は、1. 酸化タングステン被覆酸化チタンナノ粒子をアルコール水溶液に懸濁させて紫外光照射を行うと、アルデヒドが選択的に生成することを見出した。本触媒の高いアルデヒド選択性は、生成したアルデヒドが不活性な酸化タングステン表面に吸着され、逐次的な分解が抑制されるためであることを明らかにした。また、2. Cr/Ti/Si複合酸化物触媒が、可視光照射下におけるシクロヘキサンの選択的部分酸化に対し高い活性を示すことを見出した。 本触媒の高い活性は、Cr-O-Ti複合酸化物種が生成することにより、Cr酸化物種の励起状態が安定化されるためであることを明らかにした。さらに3. Au-Ag合金ナノ粒子担持酸化チタン触媒をアルコール水溶液に懸濁させて酸素雰囲気下で紫外光照射を行うと、過酸化水素が効率よく生成することを見出した。本触媒の高い活性は、正孔-電子対が効率よく電荷分離されることで、Au上での酸素還元による過酸化水素生成が効率よく進行することに加え、過酸化水素のAuへの吸着による光触媒分解が抑制されるためであることを明らかにした。また4. Auナノ粒子担持酸化チタンが、Auナノ粒子のプラズモン光吸収を開始反応とする酸素酸化に対して高い活性を示すことを明らかにした。本触媒反応では、アナターゼ/ルチル界面に位置した5nm以下のAuナノ粒子が活性サイトであり、本サイトが連続的な電子移動と酸素還元を進めることにより高い光触媒活性を発現する。なお本触媒は太陽光を光源とした場合にも極めて高い光触媒活性を発現することを明らかにした。
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Research Products
(7 results)