2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10J01679
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井手上 祐子 愛媛大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 銀河 / 星形成 / 銀河間相互作用 / 環境 |
Research Abstract |
本研究は、銀河進化に重要な役割を果たしたとえられている銀河の環境に着目し、銀河の性質を調べることで、銀河進化メカニズムの観測的解明を目指している。 本年度は主に、宇宙後半期(z~1)において、銀河の環境と銀河の性質(星形成率・比星形成率・形態)の関係を調べた。これまでは、銀河の星形成率の見積もりが困難だったため、各銀河環境における星形成銀河の割合を星形成活動の指標として議論してきたが、星形成率を見積もることに成功した。銀河の環境と星形成率の関係を調べた結果、銀河密度が高い環境ほど星形成率も高くなるという傾向を確認した。これは現在(z~0)の宇宙とは異なる傾向である。この原因について、高密度領域における銀河間相互作用による星形成の誘発の可能性に着目し、相互作用を行っている銀河のサンプルと、相互作用を行っていない銀河のサンプルに分けて、銀河環境と銀河の性質について調べた。その結果、銀河相互作用している可能性の無い銀河のサンプルに関しては、銀河環境と星形成率の間に依存性は見られなかった。このことから、原因は銀河間相互作用の可能性が高いということが分かった。これは、これまで議論されてきた銀河の環境の銀河進化に与える役割を確定づけるものとなった。この結果は論文にまとめ、現在、査読付き論文Astrophysical Journalに投稿中である。また、この結果は2011年3月の日本天文学会秋季年会で発表した。
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