2010 Fiscal Year Annual Research Report
鋳型高分子を用いたタンパク質アレイの創製と高次構造の制御
Project/Area Number |
10J01975
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 利和 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(SPD)
|
Keywords | タンパク質ナノ集合構造 / ヘムタンパク質 / 合成高分子 |
Research Abstract |
これまでに受入研究者のグループでは、ヘムタンパク質におけるヘムとタンパク質の安定な非共有結合・配位結合相互作用を利用して、超分子ヘムタンパク質ポリマーの構築を実施している。しかしながら、得られる超分子ポリマーは、分子量の制御が難しく、形状サイズ分布が極めて広い。この問題を克服するために、本研究では、タンパク質の順序や数を規定してタンパク質を配列するための手法として、ヘムを側鎖に有する合成高分子を利用した新しいヘムタンパク質高次自己組織化集合体を構築し、バイオデバイス、医療材料、触媒等の有用なナノマテリアルへの応用に向けて研究を実施した。 本年度は具体的には以下の項目を実施した。 (1)鋳型となるヘム修飾合成高分子の調製とヘム修飾高分子を用いたタンパク質アレイの創製 分子量の異なるポリアリルアミン、ポリアクリル酸を出発原料として、側鎖にヘム(鉄ポルフィリン)を部分修飾(0.5-5%)した鋳型となる高分子を調製した。それぞれの鋳型高分子に、ヘムを除いたアポタンパク質を加え、高分子側鎖のヘム基とタンパク質のヘムポケットの相互作用による再構成を行い、合成高分子とヘムタンパク質の複合化を行った。吸収スペクトル、サイズ排除クロマトグラフィーの結果から、ポリアクリル酸の修飾型高分子と酸素貯蔵タンパク質であるミオグロビンを用いた場合、効率良く複合化可能であることが分かった。 (2)鋳型となるヘム修飾合成高分子の調製とヘム修飾高分子を用いたタンパク質アレイの直接観察 調製した鎖長のことなるポリアクリル酸とヘムタンパク質の各種複合体を、マイカあるいは高配向性結晶グラファイトにのせて、原子間力顕微鏡で複合体の集合状態の観察をおこなったところ、合成高分子とヘムタンパク質が二次元ネットワーク上につながったナノ構造を観察することに成功した。
|
Research Products
(5 results)