2010 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞、T細胞分化をモデルとした、細胞分化・運命決定機構の解析
Project/Area Number |
10J01984
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
奥山 一生 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | B細胞分化 / 胸腺 / delta-like ligand / T細胞分化 |
Research Abstract |
本研究の目的は「胸腺環境(多量のdelta-like ligandが存在下)であってもB細胞に分化する血液前駆細胞(Dll^R-Bp)」を同定し、Dll^R-Bpの生体内での局在を明らかにすることである。 Dll^R-Bpがその細胞膜表面にB220、Cd19、ll7r、Flt3を発現していることはすでに明らかにしていたが、今回、新たにB細胞受容体重鎖(slgh)の発現について研究を行った。Dll^R-Bpは、slgh陰性(slgh^-)の細胞であることが分かった。また、Cd19及びslghの発現を指標とすることで、骨髄内に存在するB前駆細胞を3つの集団((1)Cd19-slgh-細胞/胸腺環境下でT細胞に分化する前駆細胞、(2)Cd19^+slgh^-細胞/胸腺環境下でB細胞に分化する前駆細胞=Dll^R-Bp、(3)Cd19^+slgh^+細胞/胸腺環境下では、生存できない前駆細胞)に分類できることが分かった。この結果から、Dll^R-BpはLate pro-B細胞、Large pre-B細胞、Small pre-B細胞と同等であることが予想された。 次に、骨髄外(末梢血中、胸腺内)におけるDll^R-Bpの局在を解析した。その結果、Dll^R-Bpは骨髄にのみ存在することが示唆された。Dll^R-Bpが胸腺に存在しない理由として(1)Dll^R-Bpは骨髄から末梢血中に移出できない、(2)Dll^R-Bpは末梢血中から胸腺に移入できない、の2つの可能性が挙げられるが、今回の研究成果から(1)の可能性が正しいのではないかと考えられた。 さらに研究を進展させる為に、Dll^R-Bpを単離する技術は必須である。そこで、DllR-Bpの精製法を構築した。DllR-BpはCd19^+Flt3^+細胞である。まず、骨髄細胞をFlt3^-細胞とFlt3^+細胞に、磁気細胞分離法を用いて分離する。さらに、蛍光細胞分析分離装置を用いることで、純化したFlt^3+細胞の中から、Cd19^+細胞のみを単離する。得られた細胞は、胸腺環境下で非常に効率良くB細胞へと分化した。つまり、この方法で単離したCd19^+Flt^3+細胞は、機能的にDll^R-Bpと一致すると考えられる。
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Research Products
(4 results)